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仮想現実~プレイヤーとして呼ばれた少女は仮初の世界で無双する。  作者: 冷崎
第一章 鮮烈な少女

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第26話 機械人形: 猫人

「まあ、権限のことは一旦置いといて。あなたは何ができるの?」


冷菓としては、いったいどんな能力を持っているのか気になって仕方がなかった。すると猫人は、胸を張るようにして答えた。


「私は身の回りの世話や、戦闘のサポート、ガイドなど様々な機能が備わってますにゃ!」


「へぇ〜!」


冷菓の目が輝く。

(身の回りのお世話って具体的に何してくれるんだろう。料理とか? 掃除とか?)

いろいろな想像が頭をよぎるが、冷菓は戦闘のサポートと言う言葉に反応する。


「戦闘のサポートってどんな事ができるの?」


「敵と戦ってる人へバフを配ることができるにゃ。」


「バフ!?」


その言葉を聞いた瞬間、冷菓の表情が変わった。様々な敵と戦い死に物狂いで生き残ってきた冷菓にとってまさに必要な能力である。


「それって、例えば攻撃力を上げたりとか?」


「できるにゃ!」


「防御力を上げたり?」


「もちろんにゃ!」


「移動速度を上げたりとか!」


「それもできるにゃ!」


「すごっ!!」


冷菓は思わず身を乗り出した。


「じゃあ、めちゃくちゃ強いじゃん!」


「えへん! 私、優秀な機械人形ですにゃ!」


冷菓はそんな優秀な職業が何か気になった。


「あなたの職業って何なの?」


「職業名は.......【アイドルスター】ですにゃ!!」


冷菓の顔が固まる。

冷菓はアイドルという言葉に驚きを隠せない。


「戦闘時、歌い、踊ることで味方へ様々なバフを配る職業にゃ。」


「え、ちょっと待って.....アイドル?!あの皆の前で歌って踊るあの?!」


「そうにゃ!!」


「てか戦闘中踊るの?!」


「心配ご無用にゃ!戦闘時、私の周囲5mにバリアが張られる仕組みで、ある程度の攻撃を受けても大丈夫なようにできてるにゃ。」


「へぇ.......」


冷菓は少し驚いた。


「じゃあ、敵に襲われても平気ってこと?」


「完全に無敵というわけではないにゃ。強すぎる攻撃を受ければバリアも壊れる可能性があるにゃ。」


「なるほどね。」


冷菓は少し安心する。

(ちゃんと弱点はあるんだ。)


「けどさあ、本当にステータスが上がるの?」


猫人は自信満々で答える。


「本当にゃ!何なら今この場で実演して見せようかにゃ?」


「え!良いの?!じゃあお願い!」


「ガッテン承知にゃ!!」


「ライブモード起動!!」


その言葉を叫んだ瞬間腕についていた端末が光り周囲5mに半透明のバリアが形成、さらに猫人の足元に黒い小型ステージが形成された。


「3!2!1!スタート!!」


その合図とともに音楽が何処からともなく流れ出した。それと同時に自身のステータスが上昇するのを感じる。冷菓は端末から自身のステータスを確認する。


「え?!ステータス3割増?!」


個体名:森冷菓

種族:人間

職業: ヴィルトゥアリス

レベル:16

HP:1040

MP:19.5

STR:49.4+10

DEF:6.5+10

VIT:37.7

AGI:61.1+10

INT: 143

LUK: 93.6


スキルポイント80


取得スキル:

【アーツ:短剣術1、剣術2、槍術1、体術1、棒術2】

【コモンスキル:ピアース〈1〉、殺意突き〈1〉、骨砕き〈2〉】

【エクストラスキル:ーー】

【ユニークスキル:ーー】

【特殊スキル:ーー】

【固有スキル:適応〈2〉、仮想認識〈2〉、ストック〈1〉

【称号:骨スレイヤー】



冷菓は自身のステータス増加による強化具合に驚きを隠せない。


「3割増ってすごくない?!」


冷菓は改めて自分の身体を確認する。確かに、さっきまでより身体が軽い。腕にも力が入りやすい。足を動かしてみても、いつもより軽快に動く。


「すご......」


冷菓は思わず呟いた。


「こんなに変わるんだ。」


「アイドルスターは味方を支援する職業ですにゃ!」


猫人は歌い、踊りながら答える。


「私がライブを続けている限り、ご主人様は強化された状態を維持できますにゃ!更にご主人様がエクストラスキル:【共鳴】を獲得した時、強化度合いが4割増に変わるのにゃ!!」


「四割!?」


冷菓は思わず端末を見つめる。

(今でも結構強化されてるのに、それが四割になるの!?)


「........ねえ」


「はいですにゃ?」


「これ、疲れないの?」


「機械人形なので問題ありませんにゃ!」


「便利すぎない?」


冷菓は思わず遠い目をした。

(歌って踊れて、戦闘をサポートできて、疲れないって......。私より働いてない?)

猫人はそんな冷菓の心配など気にすることなく、ステージの上で元気いっぱいに踊り続けていた。


「オッケー、ありがと。もう大丈夫!」


「わかりましたにゃ!ライブモード解除!」


そう叫ぶと小型ステージャやバリアなどが白い粒子として消えた。数秒もしないうちに、先ほどまでライブ会場のようになっていた部屋は、元の静かな空間へと戻った。


「共鳴スキルってどうやって手に入るの?」


「それは.........」

(エクストラスキルって言われるほどだから入手難易度高いかも....)


難しい条件を提示される覚悟をして、冷菓は猫人の言葉を待つ。


「普通に私と仲良くしていれば手に入るにゃ。」


「ズコッ!」


冷菓は菓は思わず前のめりになった。


「えぇ!? そんな簡単なの!?」


「簡単ですにゃ!」


猫人は胸を張って答える。


「ご主人様と私の仲が深まれば、自然と【共鳴】が発現するはずですにゃ!」


「つまり.......友達になればいいってこと?」


「そういうことですにゃ!」


冷菓は腕を組んで考える。

(なんだろう。エクストラスキルって聞いて、もっと壮大な試練とか、ものすごく難しい条件を想像してたんだけど。)

猫人はニコニコしながら尻尾を揺らしている。

(まあ、いいか)


「じゃあ、これからよろしくね!」


「はいですにゃ! こちらこそよろしくお願いしますにゃ、ご主人様!」

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