閑話 学ばぬ公子
学園・談話室
「うぅ……な、なぜこんなことに……運命の人を見つけたと、そう確信していたのに……!」
「まぁ元気出せよ。今夜は美味い飯でも食いに行こうな、レギン」
談話室の隅にあるテーブルに突っ伏して、レギンが涙を流して嘆いていた。
その隣で「辛かったですね」「大丈夫ですか?」と俺、ラロ、ムンゴは三人がかりで慰め。
カリーとグルーの二人は「自業自得だ」と冷めきった視線を送っている。
今日、レギンは付き合っていた彼女に振られた。
俺達がチームを組んでからまだ一年にも満たないが、これで早くも三回目だ。
どうにもレギンは女性を見る目がないらしく、いつも金品目当ての女性に引っかかっている。
そして毎回、「騙されている」と指摘され「ならば彼女の愛を試す!」と言い出し「一文無しになった」と嘘の相談をしては、その日のうちに振られているのだ。
「だから私は最初から言ったじゃないかい。あの女はやめときなってねえ」
「俺も同じこと言ったぜ。こいつ、いつになったら学びやがるんだ?」
グルーとカリーの辛辣な言葉に、レギンはさらに落ち込んで肩を震わせる。
レギンは彼女ができると、いつも俺達に紹介してくるのだが、その相手に対する評価は決まって最悪だった。
「今回こそは真実の愛だと思ったのだ……! 彼女も我を愛していると言ってくれたのだ……!」
「い、いつかきっと、中身を見てくれる素敵な人が見つかりますよ! だから元気を出してくださいレギン君!」
ラロの優しい慰めの言葉に、レギンはのそりと顔を上げた。
涙で濡れた顔で、ラロをじっと見つめる。
「ラロ……。よければ我と付き合──」
「ごめんなさい! 無理です!」
ラロの食い気味な即答。
レギンの差し出した手は空を切り、彼はテーブルへと突っ伏して、先ほどよりも激しくむせび泣きはじめた。
「こ、こいつ……なんで行けると思ったんだ……?」
「馬鹿な男だねえ……本当に救いようがないよ」
日に二度もふられるとは……。
俺はレギンに本当の春が訪れるよう、心の中で祈った。




