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子どもの頃の約束

最近、変なものが届く。

ドア内蔵のポストだから、投函されればすぐに分かる。


最初は、式場のパンフレットだった。


次の日は、スーツのカタログ。

サイズがぴったりだった。

気味が悪くなって、全部処分した。


式のスケジュール。

招待状のリスト。

指輪のカタログ。


怖くなって、郵便受けを封鎖した。

この不気味な状況から目を背けたい。


しかし、その夜、また届いた音がした。


身の毛がよだつ。

布団に潜って、夜をやり過ごした。


朝、恐る恐るポストを確認する。

封鎖したままの郵便受けに、白い封筒。


"婚姻届"だった。


そのとき、電話が鳴った。

母からだった。


「結婚おめでとう」

「署名しておいたよ。まさか、あの子と結婚するなんてね」


背筋が冷えた。


「……なんのこと」


少し間があって、母が言った。


「もう一緒に住んでいるんだってね」


そこで電話が切れた。

何もかも理解が追いつかない。


勇気を振り絞って、婚姻届を確認した。


母の署名がある。

相手の名前も書かれていた。


ちゃんと読める。

ちゃんと思い出せる。


裏に、小さく手紙が添えられていた。


「子どものころの約束。結婚しようって」


その下に、もう一行だけ書かれていた。


「明日、取りに行くね」


【解説】

物心着く前の、安易な将来の約束。

既に”同棲”もしており、あとは婚姻届に名前を書くだけ。

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