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元王子クロイツとその弟子達の軌跡-史上初のSSランクを従える男-  作者: 焼納豆


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冒険者ギルドの受付(2)

 煮え切らないギルドマスターを見て、事情を察するクロイツ。


 あえてクロイツに対して“自分の故郷”と言っている事から、クロイツが故郷に良い思いを抱いていない事も把握している上で言っているはずであり、そこから導き出される結論……この短い会話の中でも非常に慎重で、頭が切れる人物であると判断できる事を踏まえると、残されたギルド職員の救出しかありえない。


 だが、いくらギルドマスターとは言え他国に設置されているギルド職員をどうこうする権利は一切なく、ギルド本部の管理下にある一職員という位置づけのために、なかなか明言できずにいる。


「わかった。その態度で言いたい事は理解した。で、その後の二人の扱いはどうなる?」


「!?おぉ、助かる、クロイツ殿!!」


 どう伝えようか結論が出ないままではあるが、あまり時間がないためにクロイツを呼んでしまったのだが、二人の今後の扱いと言ってくれている以上は確実に言いたい事を汲み取ってくれたと安堵するメバリア。


「残念だけれど、ここで雇う事は出来ない。偽名で登録すれば可能だろうが、明るみに出てしまっては色々と対処が面倒なので、暫くは私の家にでもいてもらおうかと思っている……早く自由を与えてやりたいが、紋章がある限り厳しいのかもしれないな……」


 職員の登録はギルド総本部で管理しており、職を放棄して逃げ出した人材を再びギルドで雇う事は如何なる事情があれども認められないので、暫くは自宅で匿いつつ何とか生活できるようにしたいと言っている。


 相当厳しい事は理解しているのだが、先ずは救出が先と頭を切り替えるメバリア。


「今更だが、クロイツ殿は赤の紋章を無効化する事は出来そうか?」


「本当に今更だな。まぁ、主が誰かは想像がつく。本人に確認するのが一番だろうが、そのあたりは全て任せてもらおうか。主がどうなろうとも……だ。良いか?」


 クロイツは、主となっている人材を処分する可能性があると暗に伝えているのだが、メバリアもそれ位はわかっている。


「もちろんだ。今あの国に残っているのは本当に国家中枢や騎士達とその縁者と言った少数の人材、私が依頼した調査を行っている冒険者だけ。となれば、国家中枢か騎士が赤の紋章を付けた事になる。そんな者がどうなろうが、私の知る所ではないな」


「なかなか話の分かる人だな。良し、気に入った。ちょうど俺の新しい弟子の力を試すのに良い機会だ」


「え?“白套のリサ”の他にも弟子をとったのか?Sランカーのクロイツ殿が??」


「あれ?ギルドマスター程慎重な人であれば、もうそれ位は掴んでいるかと思ったが?知らねーのか?」


「す、すまない。最近はナスカ王国の職員二人の事ばかり頭にあったので……誰だか教えてもらっても良いだろうか?」


 この一言も仲間(職員)を救いたいと言う気持ちが溢れている事から、ギルドマスターであるメバリアの優しい人柄が見て取れるので、隠す事もなくクロイツは素直に問いかけに答える。


「もちろんだ。そもそも今回の依頼で公になるし、隠すつもりもないからな。最近この国に入国したAランカーがいただろう?」


「……ま、まさか!“無音のリージョ”!?」


「正解だ」


 Aランカーと言われる最強の存在の中で“爆炎のハロルド”は間違いなく死亡しており、“血飛沫のミーシャ”は死亡している可能性は高いが、行方不明と考えているメバリア。


 残る二人、“白套のリサ”と“無音のリージョ”がクロイツの弟子になったと言う事は、メバリアだけではなく、事実を知った誰しもが相当な衝撃を受ける。


 事実メバリアは、クロイツがメバリアの言葉を肯定した所から動けなくなってしまっている。


 苦笑いのままメバリアの片方の黒い瞳の前で手を振っているクロイツ。


「はっ!す、すまない。申し訳ない。その……あまりにも衝撃的だったのでな。そうか、Aランカーすら新たな弟子にしてしまうか。それは本人の希望なのだろうか?」


「ん?そうだな。何なら本人に聞いてみれば良いだろう?リージョ!」


 クロイツには丸見えだが、メバリアには一切関知されずにこの部屋にいたリージョは姿を見せる。


「い、いつの間に!」


「いやいや、最初からいたけどな」


師匠(・・)、一応全力で隠れていたんですが……見破れるのは師匠だけですよ。いえ、兄弟子(リサ)も見破れそうですね。少し悔しいですが、本当に流石です。で、メバリアさん。私は自ら望んで師匠に弟子入りさせていただきました。“白套のリサ”殿の弟弟子になりますね。よろしくお願いします」


 弟子入りしてからは完全に話し方も変わってしまったリージョだが、黒い外套を着てフードを被っている所は変わらない。


「た、確かに“無音のリージョ”殿で間違いなさそうだ。あまり驚かせないでくれ。で、話は聞いてくれていたようだが、依頼を受けてもらえるのだろうか?」


「師匠が受けると言ったのですから、当然喜んで受けさせていただきますよ」


 今の所はクロイツと共に適当に魔獣を狩ってダンジョンに住む住民達の生活の糧とする生活をしているだけなのだが、どう見てもこれまでと同じ事をしているのに自分の能力が急激に上昇している事に気が付いているリージョ。


 クロイツの異能である育成の影響下にあるので、普段通りの行動をしても得られる力は通常の比ではないのだ。


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