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元王子クロイツとその弟子達の軌跡-史上初のSSランクを従える男-  作者: 焼納豆


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とある奴隷の開放(6)

「うわぁ~!!」


「クソが~!」


 リサが普通に近づいて来るので、恐怖を感じている村人は破れかぶれにリサに攻撃しているのだが、戦闘訓練をしている訳でもないのであっさりと全員が気絶させられている。


 その直前、クロイツによって村人全てが倒された事を感知したリサ。


「は~、師匠は凄すぎます。あれでも全然本気を出していないはずですからね。やっぱり師匠です!」


 “師匠大好き病”を発症しつつも振り返って建屋に向かい扉に手をかけようとしたのだが、直前で手を止めて短剣を抜刀する。


 その後扉を十字に切断して一瞬で離脱すると、内部から何やら霧の様な物がリサのいた位置に噴射されている。 


 気配察知で何かがあるとは分かっていたが、このように激しい罠だとは思っていなかったリサ。


 そもそも魔道具に対する知識が浅いので、何かある……程度しか分からずに、その物体に何の効果があるのかは理解できなかったのだ。


 クロイツに言われた“油断はするな”と言う言葉を実践して慎重に行動した結果、猛毒の液体噴射範囲から安全に離脱する事が出来ていたのだが、今のリサの実力であれば噴射された直後に離脱する事も可能だっただろう。


「う~ん。これならば、適当な場所を破壊して侵入した方が良かったですね」


 中の人をなるべく驚かせないように配慮したのだが、結局一部の壁を破壊して侵入する事にしたリサ。


 あっさりと大人が通れるほどの大きさの穴をあけると、悠々と中に入る。


 気配察知では建屋の中には怯えている女性しか感知できていないが、ここでも油断をする事はない。


「終わったようだな?」


「はい。ですが、この方達とのお話はまだできていません」


 背後から来ているクロイツに声をかけられるリサ。


 クロイツがわざとリサの気配察知にかかる様に移動してくれている事位は今のリサの実力があればすぐに理解できるが、特にお礼を言うでもなく今は目の前の強制的に拉致された人々の対処に集中する。


「皆さん、安心してください。私達は、今リベラ王国のギルドを拠点として活動しているCランクの冒険者です。闇の奴隷商を叩くべく活動しており、今回皆さんを助ける事が出来ました」


 リサが話している間、クロイツは目張りされていた窓を全て音もなく破壊して外からの光を建屋の中に入れている。


 リサは、この場にいる人々に安心感を少しでも持ってもらおうと敢えてフードを外して笑顔で話している。


 この場の女性達は、少し前にとてつもなく大きな音がし、その後更に近い位置で戦闘している音が聞こえて来た事だけは嫌でもわかっていたのだが、状況が掴めずにかなり不安定になっていた。


 そこに、どう考えても自分よりもかなり年下の女の子と、こちらもどう見ても年下の男の子が来たので、何とか平静を保とうとしている。


 その姿を見たリサは以前の自分と彼女達を重ね、自分にとっての救世主となってくれたクロイツのように、この人達の助けになれればと頭を悩ます。


 取り敢えず自分が今迄してもらってうれしかった事と考えると……クロイツに撫でてもらう事だが、それはなぜか凄く許せない気持ちになったので、次点の食事が思い浮かび、改めて女性達を見る。


 彼女達は憔悴しきっているのか、食事を摂らせてもらっていないのかは不明だが、痩せているように見えた。


「皆さん……お食事はしっかりと食べられていますか?」


 最もリサに近い位置にいる女性が、力なく首を左右に振る。


 リサは自分の収納袋にもある程度食料は入れているが、日持ちする物を少々入れているだけであり、この場の人達を満足させるだけの食糧は持っていない。


 結果、どう考えてもクロイツの出番であると考える。


「師匠!」


「あぁ、わかった。がっつり行くか?」


 極度の空腹に重い物はどうかと言う話もあるが、配慮できるほどお腹に優しい食事はクロイツも持ち合わせていないので、せっかくだから経験上とてもおいしかった魔獣グロナスの肉を振舞う事にした。


 既にクロイツの力で村人や騎士達は収納されているので、拉致された人しかいないこの村に、おいしそうな匂いが充満したのだった。


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