殺す
うーん、着地点がわからなくなってます
俺は国王の寝室にいた。
目の前の国王は、震えながら命請いをしている。
そもそも、このバカ国王が、星見の占いなんかを信じるのがバカなんだ。
よりによって、その星見が最悪だった。
5年前、アルトがいた街の横にある森に「災いが生まれた」と星見が言ったのだ。
恐ろしい力を持ち、国を転覆させることも出来る者だ、と。
闇に心を転ずれば、国を滅ぼす。
光に心を転ずれば、国は栄える。
そんな迷信を国王が信じるから。
その街の5歳の子供を、みんな血眼で調べた。
どの子供も、特別な能力の欠片も無かった。
しかし、その頃、その森に魔物が集まり始めていた。
通常ではありえない数の魔物が、その森を住処とし、多くの人間を襲った。
星見は、災いの心が闇に転じ始めている兆候であると進言した。
闇に引き寄せられて、魔物は集まるのだと。
森の調査に多くの人間を向かわせたが、災いが誰か分からなかった。
そんな時に、魔物を一掃した子供と大男がいた。
調べると、5年程前から、この街に住み始めたらしい。
災いは、その2人のどちらかだ。
そう星見が断言した。
2人の監視と、必要な時は掃討する為に、俺に声がかかった。
国で一番強いこの俺に。
しかし、アルトは、俺から見ればごく普通の子供だった。
異常なのは、その美しさ。
あと、優しさか。
スーは、人間ではないだろうと察しがついた。
アルトの魔法の色だけで出来ていることから、アルトが作ったことも想像出来た。
確かに、魔法で人を作ることは、普通は出来ない。
だが、それだけだ。
スーは人畜無害だ。
あとはポーションが作れることと、結界が作れること。
アルトの能力は、とても国を滅ぼせるもんじゃなかった。
スーのことは伏せて、報告した。
それでも、星見は、災いを監視するよう国王に助言し続けた。
おかげで俺は今や、国王の命に背いた犯罪者。
何せ、その災いを連れて逃亡し、挙句、結婚したんだからな。
自嘲気味に笑うと、国王が許されるのかと、わずかに安堵した。
その瞬間に、首を切った。
この城にも、アルトは居なかった。
この国には、いないのか。
ならば、隣の国を探そう。
もう、俺たちしかいなくなるまで、全員殺せば、2人きりの世界が出来る。
そんなことを考えて、笑いながら城を後にした。
どーしよー




