69/78
俺の
こわーい
俺のアルトが消えた。
周囲に結界の札を貼り巡らせて、泉に戻ると、アルトがすっかり消えていた。
俺の魔法の糸も、完全に切られていた。
「アルト?」
呼んでも返事は無い。
「アルト?!どこにいる!今、俺が見つけ出してやるからな!!」
俺は辺りをくまなく探した。
焦った俺は、縦横無尽に火も風もあらゆる魔法を放ち、あたり一帯の木を全て消した。
轟音が響き、煙も上がっていたのだろう。
国境の警備隊がこちらに向かって来た。
「お前!何をしている!」
声をかけてきた男を、風の刃で真っ二つにする。
後ろにいた警備隊たちが、青くなって逃げ出す。
俺は風魔法で空高く飛んだ。
上から見ても、アルトが見つからない。
もしや、と泉に戻る。
服もそのままで、泉に飛び込む。
水魔法も使い、水中を全て見て回るが、水草が生い茂り、上手く探せない。
それでも何時間も繰り返し潜り続けて隅々まで目を凝らして探した。
しかし、泉の中にアルトはおらず、痕跡も何も残ってはいなかった。
俺の懐には、大切に2人の結婚の証であるプレートが仕舞われていた。
「アルトは、俺がいないと何も出来ないんだ。誰だ、アルトをさらった奴は。死ぬより酷い目に合わせてやる」
大体、目星は付いている。
アルトを恐れ、目を付けていた国王だろう。
ティーダ、こわ!




