57/78
いなくなる
ティーダ、恋に狂います
「、、、ティーダ?なに、したの?」
片言のようにしか話せない。
ティーダは、それには答えず、僕のあちこちをまさぐっていた指をなめていた。
「アルトは、どこも美味いな」
にっと笑って、スーのいたところへ促された。
スーはおらず、荷物だけが散らばっていた。
周りには人だかりが出来始めていた。
大男が急に消えた。
口々に言い合う声がどこか遠くから聞こえる。
ティーダは、笑いながら周りに説明し始めた。
「最近、中央ではやってる手品さ。消えたように見せる、簡単な子供だまし。素早くジャンプして、すぐ近くに隠れただけだよ。俺たち仲間うちの最近の流行りなんだ。もうしばらくすると出てくるから、みんな気にしないで。驚かせて悪かったな」
そう言うとティーダは、どこから出したのか、大量の飴を空にばらまいた。
みんな、滅多にお目にかかれない都会でしか手に入らない飴に夢中になり、我先にと拾い始めた。
もう大男のことなんて、きっと忘れてる。
でも、僕にとっては、スーは、、、
ティーダは、僕の荷物を拾い上げて、何のことも無い様子で、僕の肩を抱いた。
「俺も付き合ってやるよ」
そう言うティーダの黒髪と黒目が、こんなに恐ろしいと思ったことはなかった。
おーこわこわ




