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転職魔女、泉の手掛かりを見つける

 

 泉を本格的に探し始めた8月3日から、早くも1週間が経っていた。4日からは村のエルフ達にも協力してもらい、大勢で泉を探した、のだが……


「もー! 全然見つからないじゃん!」


 シャネルは森の中で不満の声を漏らす。3日から9日の今日までずっと泉を探していたのだ。不満を言ってしまいたい気持ちも分かる。


「これだけ探しても見つからないなんて……もしかして、あの情報は嘘?」


 私が最悪の想定を口にすると、シャネルは疲れきった表情で溜め息をつく。

 私は後方で周囲を見回しているシャネルとユイちゃんの計3人で泉を探していた。セルフィーさんは村のエルフ達から選ばれた5人のエルフ達を連れて、別ルートで泉を探してくれている。選ばれたエルフ5人は毎回違う面子になっており、その日ごとに村のエルフ達の名前を入れた箱からセルフィーさんがランダムに引き出して、選ばれているらしい。


「ここからは一昨日に探索した場所だし、もう村に帰ろっか……」


 全員の士気がだだ下がりのまま、とぼとぼ歩いてエルララ村へ帰る。あと数分歩けば村に着くという所で、偶然にもあるエルフに会った。


「えーっと確か……サーニャさんでしたっけ」


「えっ……あ、はい! サーニャと申します!」


 彼女は私達がエルララ村に到着した時、いち早くセルフィーさんの帰りを待っていて、私達の目も気にせず勢い良く抱きついた、少しうっかり者のエルフだ。


「私はレイカと申します」


「あっ、レイカ……いや、レイカさん! あの、えっと……」


「レイカで良いですよ」


「す、すみません……それなら、私の事もサーニャと呼んでください!」


 サーニャの言葉に私は微笑んで答える。

 しかし何故こんな所に居るのだろうか、と考えていたその時、私はサーニャの剣帯に挟まっている葉の存在に気がつく。


「サーニャ、それってもしかして……」


「そうです、この要件で来たんです!」


 サーニャは剣帯から葉を取り出し、私達の方に向ける。何とそこには、あの魔女のマークが刻まれていた。


「私、あの集会の後でエルフクイーンの所へ行ったんです。私以外に裏世界の存在を知っている人達が現れたので、とても驚いてしまって……それで、エルフクイーンにそんな泉を探して何が目的なのかって。すると、エルフクイーンは私に話してくれました」


 私以外、ということはサーニャも裏世界のことを知っているということだ。これは詳しく話を聞かなければならない。

 そして、セルフィーさんも泉や魔女の話を軽々しくしないで欲しいな、という不満は心の底に沈めておき、サーニャの話を引き続き耳に入れる。


「それで、分かったんです。あなたの正体も、泉を探す目的も、私の親友の居場所も……!」


 私は1つだけ心当たりのないものに首を捻る。親友の居場所、というのはなんの事だろうか。私のそんな疑問も、サーニャが裏世界を知っている理由も、次の発言で全て分かることとなる。


「レイカ……いいえ、魔女様。……ファーナは、元気ですか?」


 サーニャは今にも消えそうな切ない顔をして、ラルドーラ王国の病院で横になっている彼女の名を放った。


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