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転職魔女、集会に参加する

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 8月3日午後1時、私は参列する大勢のエルフ達の前に設置された石の台に上り、エルフ達を見下ろす。実は、今朝セルフィーさんに、裏世界へと続く泉について何か知っていることはないかと聞いたのだが、初耳だと言われてしまい途方に暮れていた私に


「もしかしたら村の皆が何か知っているかもしれません。今日は丁度月に1度の集会がありますので、村の皆に聞いてみてはいかがでしょうか?」


 とセルフィーさんに手を差し伸べてもらい、今に至るのだ。本当はセルフィーさんに言って欲しかったのだが、レイカさんがすることに意味があるのです、と優しめに叱られてしまった。

 エルフ達は面識の無い私が現れたことに驚いているらしく、ザワザワと騒ぎ始める。


「えー、こちら『音声拡大機(マイク)』のテスト中……」


 私が試しに声を発してみると、エルフ達はすぐに静かになる。


「えー、エルララ村の皆さん、初めまして。昨日この村に来たレイカと申します。えー、今日は月に1度のこの集会に参加させて頂き、誠に御礼申し上げます……」


 こんな社交辞令のような台詞を2分ほど話した後で、やっと本題に入る。


「……えー、それで、皆さんには少しお願いが御座いましてですね、えー、この森に裏世界と繋がっている泉というものがあるはずなのですが、心当たりのある人は居ませんでしょうか?」


 私の質問には誰も答えず、まさかの沈黙。続けて、こいつは何言ってるんだ? というメッセージを乗せた蔑みの視線が私に送られてくる。


「えー、居ないのなら結構で御座います。それでは、私はこれで……」


「ならば、探してみせましょう!」


 沈黙と蔑みの目に耐え切れず、心の中で溜め息をつきながら話を終えようとすると、隣で私の話を聞いていたセルフィーさんが突然大声を出す。


「探してみるって、一体……何をですか?」


「その裏世界と繋がる泉というのをです! 皆も一緒に探してくれますよね?」


「「「……」」」


 エルフ達はセルフィーさんの問いかけにも沈黙で答える。それに歯がゆさを感じたのか、セルフィーさんが私のマイクを奪い取り、台の上を歩きながら話し始める。


「私達エルフ族は、遥か昔から森の賢者と呼ばれて来ました。『森で迷えばエルフを探せ』ということわざもあるくらいです。そんな私達が、この森のことで分からないことがあって良いのですか? 私達エルフ族のプライドは、そんなものだったのですか?」


 セルフィーさんは熱烈に語り、エルフ達に問いかける。彼らの目はもう炎の魔物『ファイアーラゲレイル』よりも燃え盛っていた。


「さあ皆! 一緒に泉探そうぜー!」


「「「おぉぉーー!」」」


 セルフィーさんの協力によって、村のエルフ達に泉探しを手伝ってもらうことになった。

 私は1つ安堵の息を漏らして台を降りると、すぐ近くで私の発表をニヤニヤしながら見守っていたシャネルとユイちゃんのもとへ行く。


「レイカ、いい発表だったじゃん」


「超緊張してて声が震えてましたけどね! それに、台を上り下りする時の動きもカチコチでしたし……」


「そんな事言わないでよー!」


 私にとっては一世一代の大勝負だったのだ。噛まずに言えただけ、褒めて欲しいところだ。


「じゃあ、早速泉探しですね!」


 エルフ達は明日から参加してもらうとして、私達は泉を探す為森の奥へ飛び込んだ。


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