どうして、俺はそんな情けない奴になってしまったんだ?
「いや、しかしなぁ。
転校生どうしでつるむんもようないぞ。
みんなと仲良うせな」
「そんな事は分かってますよ。
みんなと仲良うするんは当然ですやん」
川岡がそう言い終わった時、小山がまたしゃべり始めた。
「先生。
うちの机、後ろに下げるわ。
ここにその子の机、入れたってぇな」
小山は言い終えると、後ろに向き直って、自分の後ろの生徒たちに下がるよう手で合図した。その合図に小山の列の生徒たちが、自分の机を一つずつ後ろに下げはじめた。
瞬く間に上田の横、小山の前に机一個分のスペースが作られ、小山に指示された男子生徒の一人が、川岡のために用意されていた机をそのスペースに持ってきた。
小谷が呆れ顔で、川岡にその机を指差す。
「どうも」
そう言って、自分のために作られた机に向かう川岡は自信に満ち溢れているようで、不安とかは見られない。その事が上田には少し癪だった。
「どうも」
自分の机にたどり着くと、小山と上田にそう言って、軽く手を上げて挨拶してから、着席した。
自分の前と言う事で、休憩時間中、小山は川岡に色々と話しかけてきた。
川岡は無難な答えで小山をうまくやり過ごしている。そんな姿を横で見ていた上田はますます沈んでいく。
どうして、こいつはうまくやっているのだろう。
俺だって、あの時。
こいつがしくじれば、もしかして俺は助かるのじゃないのか?
小山に嫌われろ。
どうして、俺はそんな情けない事を考える奴になってしまったんだ。
そして、自己嫌悪に上田は陥って行った。




