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職員室にて

 部活の顧問で多くの先生が席にいない閑散とした職員室。その中央には教頭が座って、新聞を読んでいる。

 山口が上田の担任の小谷の姿を探す。教頭の席から3つほど離れた机で、何か書き物をしている小谷を見つけた山口が中に入って行く。

 その山口の姿に気付いた教頭が、うん?と言う雰囲気で顔を上げ、その行く先を見守っている。

 山口は小谷の隣の机の先生がいなかったので、その椅子を引き寄せ小谷の横に座った。

 突然の山口の出現に、小谷は驚いた顔をして、山口を見た。


 「何ですか?

 上田の事ですかね?

 今日体調悪かったみたいですが」


 「ええ。そうなんです。

 あまり大きな声では言えないんですが、いじめられていませんか?」


 小谷は一瞬ぎょっとするような表情の後、笑い始めた。


 「何を言われるのかと思えば。

 そんな事を言う女生徒も確かにいましたので、今日私が直接確認したんですよ。

 そしたら、そんな事実は全く確認できませんでしたよ。

 本人もいじめられてると言ってませんでしたよ」

 「先生、いじめられている本人がいじめられてるって、なかなか言えないんじゃないですか?

 それって、どうやって聞かれたんですか?」

 「教室で全員に私が直接確認しましたよ」

 「そんな」


 山口が落胆の表情を浮かべながら、首を左右に振る。


 「それでは余計にいじめられているって言えないんじゃないですか?」


 山口がそう言った時、教頭が二人のところにやって来た。


 「いじめとは聞き捨てならない不穏当な言葉ですな」

 「教頭先生」


 山口は教頭の言葉に期待して、次の言葉を目を輝かせて待っている。

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