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第3話 嫌な冷気

?ーーーー


?「歳をとるともう高い社会的地位は狙いづらい、くそ…あいつより権力を得たいのに…、どうにかして貶める方法はないのか…?いやリスクも高いな…」





? 「いや……、あるな、方法が…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


リリアン 「結婚式は行わない…?」


ある日のティータイム中、サアヤから聞いた言葉にリリアンは驚いた。


サアヤ 「はい…、なんでもルアン様のご要望だそうで…」


あの日のお見合いの後、正式に婚約はしたが、やはりルアンはリリアンを毛嫌いしているようだ。


リリアン 「それってまあまあ悪い噂になりそうじゃない?」


サアヤ 「はい…、実際もう広まっておりますね…」


公爵家同士の結婚は普通は平民から他の貴族まで多くの人にお祝いされるのだが、まずそもそも結婚式を行わない事に異常を感じるだろう。


リリアン 「結婚式をやらない方が利益的に悪そうなのに…、つくづくよく分からないわ…」


とリリアンはため息をつきながら、薬指にはめられた指輪を見た。一応ルアンからの贈り物ということになっているが、本人から渡されたのではなく送られてきたのだ。これがプロポーズのつもりなのだろう。


リリアン 「よっぽど嫌われてるなぁ…、なんでだろう?ご両親同士は仲良く見えるのに…」


サアヤ 「まあ慣れれば普通に接してくれるのではないでしょうか?それよりリリアン様、荷造りは済んでおりますか?」


リリアン 「ええ、やっと終わらせたわ」


いよいよ明日は、アルダート家へと移り住む日だ。一応リリアンの不安をなくそうということで、専属侍女のサアヤも共に移る事になっている。


リリアン 「サアヤがいるなら安心だわ、向こうでも変わらずお願いね」


サアヤ 「はい、もちろんです」


コンコンコン


リリアンの部屋を誰かがノックした。


リリアン 「あら?誰かしら、サアヤ見てもらえる?」


サアヤ 「はい。どちら様でしょうか?」


ゴウゼン 「あぁ、私だ」


リリアン 「あ、お父様の声だわ」


ゴウゼンがリリアンの部屋を訪ねに来た。


サアヤ 「旦那様ですね、1度外に出ておりますね」


サアヤはドアを開け、ゴウゼンと入れ替わりで部屋をでた。


リリアン 「ごきげんようお父様、どうかなさったの?」


ゴウゼン 「あぁ、明日にはもうアルダート家へ出発だろう?何か不安な事はないか話に来たんだ。」


リリアン 「あらそうなのですね、私なら大丈夫ですよ!サアヤも一緒にいてくれるし、アルダート夫妻はとてもお優しい方でしたもの」


ゴウゼン 「公爵夫妻はそうだな、とてもいい人だ。しかしこの前対面した時、少々ルアン公爵令息は気掛かりではないか?」


リリアン 「あぁ…」


リリアンはルアンと初めて会った時の事を思い出した。政略結婚とはいえ、これから妻になる者へも無駄に関わることを嫌う…、普通なら不安に思っても不思議ではない。


リリアン 「初対面でよく分からない人ということもあって警戒していらっしゃったのでしょう。ルアン様の言う通り、不必要に近づかず一定の距離を保っていればいいんですよ」


会ったばかりで特に好きでも嫌いでもなんとも思っていないルアンの事は、リリアンにとって正直どうでもよかった。気にしなければ普通に暮らせると思っているからだ。しかし…


ゴウゼン 「だがなリリアン、ルアン公爵令息とあまり関係が良くないと、公爵夫妻にも嫌な印象を持たせるかもしれないんだ。私はそれを一番避けたいのだよ。」


リリアン 「確かにそうなったらお父様達に迷惑がかかってしまいますね…、でもそんな簡単にあの夫妻は…」


ゴウゼン 「いいから!!

とにかく良き関係を紡ぐんだ。それが私たちの…、お前のためになるんだ。いいかとにかく愛想よく、そしてお前の優秀さを存分にアピールするんだ」


リリアン 「お父様…?」


リリアンは怪訝そうな顔でゴウゼンを見た。なぜなら初めてだったからだ。父親がこんな風に焦ったように声を荒らげた事が。


リリアン (今のは娘のことを想っているという風より…)


アミリ 「貴方達まだ起きていらっしゃるのですか?明日は朝早いんですよ、早く寝なさい」


リリアン 「あっ…、お母さま…、分かりました…」


アミリが来たことによって、2人の会話はそこで終わりになった。


翌日


リリアン 「ではお父様、お母様、行って参ります。」


いよいよアルダート家へ移り住むのを前に、リリアンは両親へ挨拶をしていた。


アミリ 「えぇ、しっかりと妻として、そして移り住む身として、務めを果たして来なさい、くれぐれも体調には気をつけることよ」


リリアン 「はい、お母様」


そして迎えの馬車に乗ろうとした瞬間、


ゴウゼン 「リリアン、」


ゴウゼンがリリアンを呼び止めた。


リリアン 「はい、なんでしょうお父様…?」


リリアンは少し昨日の事で父親に対して気まずさを覚えていた。リリアンは恐る恐る尋ねた。そしてゴウゼンはリリアンの近くまで寄ってきて、


ゴウゼン 「ーーーーーーーーーーー」


リリアン 「えっ」


アミリ 「…?何してるんです?リリアン、早く馬車にお乗りなさい、アルダート様達を待たせてしまうでしょう?」


リリアン 「は、はい…」


アミリに促され、リリアンは馬車へ乗車した。そしてすぐに馬車は出発して行った。


ゴウゼンはどんどん離れて行くリリアンを乗せた馬車をじっと見つめていたのだった。


続く


こんにちは、咲桜菊です。第3話を読んでくださり、ありがとうございます(*^^*)なるべく毎日こんぐらいの時間に投稿するのが理想ですね、三日坊主にならないように気をつけます。ではまた次話でお会いしましょう。

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