第2話 お見合い
10年前の記憶②
? 「ねぇパパ!私の事好き?」
? 「どうしたんだ急に?」
?「…愛してる?」
? 「…はははっ、どうした不安になっちゃったのか?大丈夫だ、お前は絶対幸せになるんだからな」
? 「うん…」
? 「ほらこっちにおいで、美味しいデザートがあるんだ」
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サアヤ 「お嬢様?お嬢様!お嬢様ー!!」
とある快晴の日の朝、リリアンの部屋ではサアヤの叫び声が響いていた。
サアヤ 「早く起きてくださいお嬢様!!」
リリアン 「んんー……、なぁにサアヤ……どうしたのそんなに慌てて…zzz」
ゆっくりと起き上がり、寝ぼけながらサアヤを見る。
サアヤ 「どうしたもこうしたもありませんよ!まさかお嬢様、今日が何の日か忘れたんですか?!」
リリアン 「えぇ…?きょぉ……今日は…」
眠い目をこすりながら予定の書いてあるカレンダーを見る。
するとー
リリアン 「え、あっ、あーーーーー!!!!!!!」
リリアンは一気に目が覚める。
リリアン 「ままままままままさか!今日お見あい?!?!」
サアヤ 「そうですよ!何で忘れてるんですか!!ほらっ早く顔を洗ってください!」
リリアンは慌てて飛び起き、ドタバタしながらもとりあえず顔を洗い始める。
リリアン (ええええうそぉぉぉ、今日がお見合いだなんて…、すっかり忘れてた…!どっどどどうしよう…、どんな人だろう…、なんて話しかけよう…あっ、身だしなみもちゃんとしなくちゃ…、ええっとあとそれから…)
サアヤ 「お、お嬢様!いつまで顔を洗ってるんです!周りが水浸しですよ!」
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やっとの事で支度を終えたリリアンはゴウゼンとアミリと共に馬車に乗り込んだ。
今回はお見合い相手だけではなく、その両親である公爵夫妻にも会うので、髪の毛をふんわりと、でもスッキリとまとめ、ドレスも落ち着いた雰囲気で整えた。
アミリ 「良いですかリリアン、お相手はアルダート公爵家様、こちらとも仲良くさせていただいていて、あなたと生涯を共にするお方なんですからね。礼儀作法は完璧にしっかりとしなさい。」
アミリはリリアンに何度も言い聞かせた。
ゴウゼン 「まあとにかく愛想良くすることだ。そしてお前は礼儀においても勉学、そして様々な分野で優秀なんだ。それを最大限活かすことだ。」
リリアンは幼い頃から大量の習い事や稽古をしており、様々な知識を父親に叩き込まれていた。それに母親が厳しいことから復習予習は欠かさなかったため、全てにおいて優秀だったのだ。
リリアン 「はい、私の良さを、十二分にアピールして参ります。」
しばらく馬車を走らせていると、国内でもとびきり大きな宮殿に到着した。アルダート家の宮殿だ。
ゴウゼンがリリアンの手を取り、ゆっくりと馬車を降りた。すると宮殿の入口から、使用人が出迎えてきた。
使用人 「お初お目にかかります、ロズワード様、ようこそお越しくださいました。」
使用人が深々とお辞儀をして、ロズワード達もお辞儀をし返した。
使用人 「では早速ご案内致します。」
使用人に連れられ、宮殿の中へ入っていく。とても大きく木漏れ日がキラキラと光る廊下や装飾に、リリアンは思わず見とれた。
リリアン (とても美しいわ…、これからこんな素敵なとこに住めるのかしら…)
しばらく進んでいくと、広い応接間に到着した。
使用人 「どうぞ、こちらへお入りください。」
促されて部屋へ入っていくと、アルダート公爵と夫人、そしてその一人息子のルアン・アルダートが座っていた。
リリアン (あれが私のお見合い相手…)
ルアン・アルダートはリリアンより2歳年上で、スラッと高い身長にくっきりとした顔立ち、そして何より、アルダート公爵の指導の賜物なのだろうか、鍛えられた身体と、誰が見ても惚れてしまいそうなとびきりの格好良さだ。
リリアン (美術品…、彫刻のような方ね…)
リリアンがルアンの事をじーっと見つめていると、ルアンはそれに気づいたのかふいっとそっぽを向いてしまった。
アルダート公爵「ようこそお越しくださいました、ロズワード公爵」
ゴウゼン 「お久しぶりです、アルダート公爵」
アルダート公爵 「すみませんね、わざわざ足を運んで頂いて」
ゴウゼン 「いえいえ、そんな…」
両親が互いに挨拶を交わしていて、リリアンも少し後ろで軽く会釈をしていた。その時ふと席に座ったまま頬杖をついているルアンに気づいた。
リリアン (さすがにちゃんと挨拶しないとよね…)
リリアンはルアンの近くまで行き、
リリアン 「あの…」
と声をかけた。ルアンはチラッとリリアンの方を見た。
リリアン 「初めましてルアン様、ロズワード家のリリアン・ロズワードと申します。本日はこの様なご縁を頂き、心より嬉しく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。」
ドレスを両手で軽く持ち上げ、深々とお辞儀をした。
ルアンはリリアンをじっと見てから、またそっぽを向いて、
ルアン 「…別に、俺と君は政略結婚なのだからそんな堅苦しい挨拶はいらない、君はこれからこの家に移り住むのだろうけど、一定の距離を保つようにお互い気をつけるよう心掛けろ、もちろん俺もだ」
ルアンはキッパリと言い放った。
アルダート夫人 「これルアン、御丁寧に挨拶してくださったお嬢様に向かってそんな態度がありますか」
ルアン 「…、この家の娘も公爵家とはいえ、圧倒的な地位を持つ父上を狙いに来たのだろう?」
ルアンは冷たく言うが、しかしその通りでお互い公爵家ではあるが国王と繋がりが最も深く、社会的地位で言えばアルダート家の方が上だ。だからいつも厳しいアミリが今日は特に礼儀に厳しいのだ。
ルアン 「移り住むのは勝手にしてくれ、大人しくしていれば何もしない。君も変に俺に関わろうとするな」
ルアンはそう言い、部屋を出ていってしまった。
アルダート夫人 「本当に失礼いたしました。こちらで強く注意しておきます…」
アルダート公爵 「リリアン嬢、どうか気分を悪くしないでくれ、私たち夫妻にこの家の者はあなたをとても歓迎している」
リリアン 「いえいえ…、初対面ですし良い印象をすぐに持たなくて当然ですよ、気にしないで大丈夫ですよ!」
謝罪をしてきた夫妻に笑顔で応えたが、リリアンはやはりルアンが少し気になっていた。
続く…
こんにちは、咲桜菊です。2話を読んでくださりありがとうございます(*^^*)最近はとても暑いですが、どうか皆さん体調にはお気をつけて下さいね。ではまた次話でお会いしましょう。




