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SEVENS OCEAN  作者: おきゆむ
2.エヴァ
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学校生活②

いち()


六倉さんからエヴァの世界地図を見せてもらった翌日の最後の授業が終わる頃、ネガティブに思いふけっていると急に背後から声を掛けられた。


五十嵐くんだ。


「もう放課後だぞ?大丈夫か?」


五十嵐くんが私の机の上を覗き込む。


すでに授業が終わってから五分くらい経過しているのに関わらず、私の机の上には教科書やノートが開きっぱなしになっている。


慌てて鞄を出して、教科書とノートと筆箱を仕舞い始めた。


「ははは、相変わらず一ノ瀬は面白いな。俺が話し掛けなかったら、クラス全員が帰っても気づかなかったんじゃないか?」


五十嵐くんが爽やかに笑う。


非常に恥ずかしい状況にまともに五十嵐くんの方を見られない。


…でも、話し掛けてくれたことは凄く嬉しかった。


「ち、ちょっと考え事をしてて…」


そう言い訳をして、一生懸命笑みを浮かべてみせた。


「何か、悩み事でもあるのか?俺で良かったら聞くよ」


五十嵐くんが少しだけ、私に顔を近づけて言った。


「…ううん、悩み事なんてないよ。大丈夫…」


と首をぶんぶんと振った。


悩み事がないわけではないが、とても五十嵐くんに相談出来る器量が私にはなかったのですぐさま否定する。


「そっか、なら良いんだけど」


五十嵐くんはそう言ったあとで少し私から目線を逸らした。


「…あのさ、一ノ瀬。明日の昼休みなんだけど…昼食を済ませたあとでいいから、少し話せないか?」


「えっ…?」


五十嵐くんの言葉に一瞬、耳を疑った。


「…嫌なら別に無理しなくていいから」


五十嵐くんが目を逸らしながらそう言った。


すぐにさっきよりも勢いよく首をぶんぶんと横に振る。


「…ううん、嫌じゃないよ。昼食が終わったあとでいいんだよね?」


「…うん、ありがとう。なら屋上で待ってるから、終わったら来てよ。ゆっくり昼ごはんを食べてからでいいからな…」


…どこかいつもの爽やかな笑顔がそこにはなかった。


「じゃあ、また明日な」


五十嵐くんはそう私に告げて、自分の机の上に置いてあった鞄を持って教室を出て行く。


さっきの表情が少し気になって、しばらく五十嵐くんが出て行った教室の出口を見つめていると、後ろから肩をぽんぽんと叩かれた。


慌てて振り返る。


「どうした七海?何かあった?」


れいちゃんだ。


「ううん、何でもないよ…」


「なら良いんだけど。そうそう八菜はな五十鈴いすずとカフェして帰らないって誘われてるんだけど、七海も行かない?」


れいちゃんが愛想良く私を誘う。


二人は昼休みにれいちゃんがいつも一緒に昼ごはんを食べているグループのクラスメイトだ。


一応、私もその輪に入っている。


だけど、一度も直接話したことなんてない。


私はれいちゃんが話しているのを横で聞いているか、たまに頷くかだ。


前にれいちゃんがいない時に一度、二人に話そうとしたことがあったけれど、声を掛ける前にスッと逃げられてしまったことがある。


…ただ私に気がついていなかっただけかもしれないけど、どちらにしろ私は良く思われていない。


「ごめん、今日は用事あって…」


ふと、脳裏に骨董品店が浮かんだ。


「…そっか、それは残念。じゃあ、また明日ね」


れいちゃんが少し寂しそうな表情で私に手を振って友達に合流した。


用事なんて特にないのに関わらず嘘をついたことに心が痛んだ。


嘘をついた時、ふと骨董品店を思い浮かべたが、今日は行くつもりはなかった。


でも、れいちゃんのあの顔を見ると例え嘘でも用事を繕った方がいいと思えてきたので行くことにした。


それに現実逃避もしたい…


帰り支度を済ませるとクラスメイトが楽しく会話している横を誰の顔を見ることなく早々に教室をあとにした。

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