決着①
「…仲間だと?…お前はこのフリーダムとかいう子供だけの集団の人間ではないのか?」
アッサラームが私に訊ねた。
余裕があった時の表情と比べて、今のアッサラームには随分と余裕がないように感じる。
「…ええ、たまたま昨日、拐われただけの縁よ。でも、一晩で仲良くなったけどね」
私の返答にアッサラームが険しい表情を見せた。
それもそのはず、私がいなければここにはアクエリアスもいないし、ブルーもいなかった。
なので、簡単に皆んなを捕らえることが出来ただろう。
アッサラームにとってはたまたまの不運が重なったに過ぎない。
…でも、逆に私は思ってしまう。
私がいなかったら、皆んなは捕まってしまったかもしれないが、アイリンは死なずに済んだかもしれない…
…よそう。
今はそんな後悔で自分を責めている場合じゃないのだから…
私は集落の入り口にいるブルーに視線を向けた。
「そいつは土の大きな手を作り出して攻撃してくるから気をつけて!」
とブルーに向かって叫ぶ。
「ああ、なんとなく辺りを見たらそれは想像出来る。心配ない…すぐに終わらせるからそこで待っていろ」
ブルーがそう言って、右手に持つポセイドンを構えた。
「…すぐに終わらせるだと!?少し私の攻撃を止めたからと調子に乗るなよ!」
アッサラームが私からブルーの方へと向き直り、右手を翳す。
すると一気にブルーの周辺の地面からアースハンドが二体現れた。
それらは間髪入れずにブルーを潰すように襲いかかる。
しかし、ブルーはそれを軽やかに躱した。
それでも、アースハンドはブルーが逃げた先へと追って攻撃を仕掛けていく。
ブルーが次々とそれを躱していくが、アースハンドも攻撃を止めない。
私は立っていた場所を動かずにそれを見ていた。
勿論、心配はしていない。
…だけど、ブルーが反撃しないことに疑問を感じた。
ノアニールさんとの戦闘の時のブルーを思い出す。
ブルーはポセイドンの力を使って、ノアニールさんの炎に真っ向からぶつけていた。
でも、今はただ逃げ回っているだけ…
…どうしたのブルー?
何か攻撃が出来ない理由でも…
「おいおい、どうした?逃げ回ってばかりでは私は倒せんぞ!威勢の良いのは口先だけか?」
以前、アクエリアスを踏みつけにしたまま、アッサラームがブルーを挑発する。
アッサラームは次々とアースハンドを動かしてブルーを襲い続けていく。
しかし、ブルーは息を切らした様子もなく、軽々とそれを躱しているように見えた。
まるで、それを求めているかのように…
その時、なんとなくブルーの意図を私は理解した。




