ただ信じてる
「さて、散々やってくれたお返しはさせて貰おうか?まずはこの剣の前でお前を葬ってやる。そのあとは何人か死んで貰っても面白いな…そうでもしないと私の気が収まらない」
アッサラームが私に向かって手を伸ばす。
「さあ、恐怖しろ。命乞いをしろ。まあ、どちらにしろお前の運命はもう決まっているがな。私を怒らせた罪は重い」
アッサラームの手の先が青く光る。
ルウの力で私を殺すつもりだ。
『ナナミ!逃げろ!』
アクエリアスが必死に私に向かって叫ぶ。
しかし、私は恐怖することもなく、ただアッサラームを見ていた。
不思議と怖さを感じなかった。
なんとなく、きっと大丈夫だという気がしたのだ。
「…気に食わないな。まるでこの状況にまだなんとかなるって顔をしてやがる…」
アッサラームの言葉にその通りだと心で納得する。
…確信があるわけじゃない…ただ信じているのだと思う。
「…まあ、いい。とりあえず死ね!」
アッサラームがそう叫んだ瞬間、アッサラームの手の先から土で出来た鋭利な槍のようなものが飛び出して、私に勢いよく向かってきた。
しかし、その攻撃は私に届くことはなかった。
私に届く前にその攻撃が破壊されてしまったからだ。
「何!?」
その状況に堪らずアッサラームが驚きの声を上げる。
私はその状況を作り出した人物の方へと視線を向けた。
「やっぱり来てくれた…絶対来てくれると信じてた」
私は笑みを浮かべて言った。
「…信じるのは勝手だが、探すこっちの身にもなってくれ」
と少し離れた場所に立っていたブルーが小さくため息をついた。
「…ったく、また何かに巻き込まれているとは思ってはいたが、まさかこんな騒動になっているとは思わなかった」
『遅えぞブルー!どこをほっつき歩いていやがった!さっさと助けに来やがれ!』
アクエリアスがアッサラームの足の下で助けに来たブルーに文句を言う。
「…何だ貴様は?一体、何者だ!?」
突然、現れたブルーにアッサラームが明らかに動揺していた。
おそらくさっきの一撃でブルーの強さを感じてしまったのだろう。
アッサラームの質問をブルーの代わりに私が答える。
「私の大切な仲間のブルー…もうあなたに勝ち目はないわ」
…そう。
私の大切な大切な仲間…
この時、ブルーの姿を見て私は心の底から安堵した。




