私の勝ちだ
私はアースハンドに潰される前にアクエリアスを手に取り、咄嗟にアクエリアスが作り出した水の残像によってあの場を逃げ出してアッサラームの背後に回ったのだ。
剣をわざと手に届くところに捨て、アッサラームを油断させて…
全てはアクエリアスの作戦だ。
「ナナミ!」
近くにいたサマンサが私に抱きつく。
「ナナミってこんなに強かったんだな?俺びっくりしたぜ」
トンヌラが目を輝かせて言った。
「ありがとうナナミ」
トンヌラの立っている後ろから歩いてきたクッキーが言った。
「…良かった。一瞬、潰されちゃったのかと思ったよ…」
プリンが私を見て安堵の表情を浮かべていた。
「これで、終わったな…」
パウロが少し離れた場所に落ちているアッサラームを見て言った。
パウロの言葉に私も視線をアッサラームに向ける。
どうやら動く様子はない…
それに安堵して、私はアイリンのところへとゆっくりと歩いていく。
すると、子供たちも一緒にアイリンのところへと歩み寄っていった。
子供たちがアイリンに寄り添うに囲んだ。
そして、大きな声で泣き出す。
私は少しだけ離れた場所でそれを見つめていた。
『ナナミ!まだだ!』
子供たちの泣く姿を見ながらただ立ち尽くしていると、突然アクエリアスが叫んだ。
そして、すぐにアッサラームに目を向ける。
しかし、その瞬間、脚元に激しい揺れを感じて、思わず地面に倒れ込んでしまう。
その衝撃でアクエリアスが手から離れてしまった。
…しまった!
と思った時には既に遅かった…
視線の先にはアクエリアスに足を乗せて立っているアッサラームの姿があったのだ。
「…残念だったな。私の勝ちだ…このメアがなければお前は何も出来ないのだろ?」
…全て見透かされている。
揺れが収まり、私はアッサラームを見ながらゆっくりと立ち上がる。
『離せ!このやろう!汚い足を退けろ!』
とアクエリアスが吠える。
「五月蝿い剣だ。所詮は使い手がいなければただの剣だな…最早脅威ではない」
アッサラームがすっかり汚れた顔で笑った。




