出てこい!
すると、兵士二人がいきなり私を見つけて襲ってきた。
私の今までの行動を見ていたのか、二人とも剣を抜いて容赦なしに向かってくる。
すると、私はその場を動かずに立ち止まった。
正確にはアクエリアスがそうさせているのだ。
…えっ!?このままじゃ斬られるよ!
と思わず目を瞑る。
すると斬られたと思った矢先、私は兵士たちの後ろへと移動していた。
兵士たちが斬ったのは私ではなく水の塊で、その塊が潰れた瞬間、水の塊がまるで意思を持つかのように兵士たちを塊の中へと引き込んだ。
兵士たちはその水の塊の中で必死にもがき苦しんでいる。
やがて、動きが弱まったところで水の塊は消滅して兵士たちが解放されて地面に倒れ込んだ。
凄い…
アクエリアスの強さにいくら自分が動いているとはいえ、ただただ驚きを隠せなかった。
まだだ…あの子たちを助けないと…
食堂の建物に着いた私は中へと飛び込んでいく。
すると、奥に固まっていた子供たちの前に二人の兵士が立っていた。
私が歩み寄っていくと、二人の兵士が剣を抜いた。
…ダメだ…このままじゃ、子供たちを人質に取られる可能性がある。
と思った瞬間、兵士たちが剣を私に向かって投げた。
…へ?
見ると男たちは怯えた顔で私を見て、両手を挙げている。
きっと、この建物の中から私の…アクエリアスの戦いを見ていたのだろう。
兵士たちの後ろにいた子供たちがその隙に急いで私に駆け寄ってきた。
私は出来るだけ、子供たちを抱きしめる。
…良かった。
皆んなはアイリンが命を賭けてでも守りたかったもの…
アイリンの願いを叶えることは出来ただろうか…?
…いや、まだだ。
あのルーラーを倒さない限り、フリーダムに明日はない。
その時だった。
食堂の外から大きな音と共に地響きが起きた。
食堂の窓から外を確認する。
すると、パウロとトンヌラ、クッキー、サマンサ、プリンの五人が二つのアースハンドに囲まれていた。
おそらく私を誘い出すために人質にしているのだ。
「出てこい!」
アッサラームが怒りに満ちた声を上げた。
『もう少し足止めできると考えていたが、思ったより早かったな…』
「…何か凄く怒ってるよ?」
私はアクエリアスにそう言ったのだが、周りの子供たちが反応して私を不思議そうに見ていた。
私はそれを笑って誤魔化す。
『…おそらくさっきの一撃が思いの外効いたのか、それとも攻撃の意図が他の兵士を倒すことだったと気がついてプライドが傷ついたのか…はたまたその両方か…まあ、どちらしろ向こうさんはもう容赦はしてくれないだろうよ』
アクエリアスの言葉についにアッサラームが本気になったということを理解する。
どちらにしろ、早く出て行かないとあの子たちが危ない…




