ルウの塊③
私をここへと連れてきた者たちが被っていた黒い布を次々に取り始めた。
そして、その者たちの素顔を見たとき、私は思わず驚いてしまう。
なぜなら全員、子供だったからだ。
私も17才でまだ子供といえば子供だが、私を取り囲むように立っている者たちはおそらくもっと幼い。
見た目でいうと、男の子が三人と女の子が二人。
まさか、こんな子供たちが私を拐っていたとは思わなかった。
「こいつはここで俺たちが見ておくから、プリンとサマンサはボスのところへ報告に行ってくれ」
と一人の赤茶色の髪をした男の子が女の子二人にそう指示した。
プリンとサマンサと呼ばれていた女の子たちは分かったと返事をして、集落の中へと走っていく。
「…あなたたちは一体何者なの?」
私は恐る恐るここに残った男の子たちに訊いた。
「残念だが、その質問には今は答えられない」
赤茶色の男の子がそう答える。
私をここに連れてきた子供の中で彼が一番年長に見えた。
さっき、この男の子はボスに報告と言った。
その人物がこの集落のリーダーなのだろうか?
…これから私はどうなるの?
と少しは恐怖を感じてはいるが、なにせ私を拐った犯人たちが子供だったことに拍子抜けしてしまった。
私は三人の男の子たちに監視されながらルウの塊の中でただじっと何かを待った。
集落の中にはいくつか小屋のような小さな建物が立っている。
それはニオの村の店や家の建物には程遠いくらい簡易的なものだ。
更にこの集落を取り囲むように周りには高い柵が施されており、そのてっぺんには棘の針金が付いている。
そして、入り口から見る限り、集落には誰の姿も見えなかった。
『どうする?このルウの塊、何とかしてみるか?』
アクエリアスが提案する。
すぐに男の子三人に視線を向けるとアクエリアスの声が聞こえた様子はどうやらない。
ブルーはアクエリアスの声を聞けるので、本当にアクエリアスの声は他の人に聞こえないのか不安だったので反応を確かめたが大丈夫そうだ。
私が喋ると流石に疑われるので、私はさりげなく首に振った。
とにかく今は成り行きに任せてみたい。
この子たちがこんなことをしている理由が知りたいのだ。
『…分かった。何かあったら俺様に言うんだぞ』
アクエリアスの言葉にこくりと頷く。
「ご苦労だったな。パウロ、クッキー、トンヌラ」
と急に女性の声がしてビクッとなる。
アクエリアスとやり取りをしている間にさっきの女の子たちとおそらくこの子たちがボスと言っていた人物が立っていた。
長い黒髪の女性。
しかし、格好は女性らしくない格好をしている。
女性といってもおそらくは私と同じくらいの年齢に感じた。
この人がボス…?




