ルウの塊②
すると、一気に私はそのルウの塊の中に飲み込まれてしまう。
「えっ!?何何何!?」
必死にルウの塊の中でなんとか外に出ようと試みたが、出られる気配はない。
ルウの中は別に息苦しくもなかったが、声は籠ってしまう感じがして、外に声が届かない気がした。
…どうしよう、これじゃあブルーに気がついてもらえない。
でも、ある程度したら、きっと心配してブルーが探しに来てくれる筈だ。
そんなに離れている訳でもないのだから…と安心していた矢先、何かがルウの塊の周りを取り囲む。
それは黒い布を覆った人だった。
上半身は隠されていたが、足元は露になっていて、そこから人の足が見えていた。
現れたのは数名で、何やらひそひそと私を取り囲んで話している。
「ち、ちょっと、ここから出してよ!」
少し怖かったけど、取り囲んでいるその黒い集団に向かって叫んだ。
しかし、私の言葉に聞く耳を持たない感じで何やら話している。
すると、急にそれらは行動を開始した。
全員で私ごとルウの塊を運び始めたのだ。
「ちょっとどこへ連れて行く気!?」
必死にルウの塊を中から叩くも手応えがない。
『…だから、触るなって言ったろ?』
右手に持っていたアクエリアスがどこか呆れたように言った。
「…だって、まさかこんなことになるとは思わなかったんだもん」
おそらく、このルウの塊は罠だったんだ。
誰かが触ると中に引き込まれて閉じ込められる…
「…ブルーに怒られるかな?」
黒い謎の集団に運ばれながら、脱出は不可能だと諦める。
『だろうな。まあ、再び会えたらの話だけどな』
とアクエリアスが不安になるような意地悪なことを言った。
私を運ぶ黒い謎の集団は迷いなく山の中を進んでいく。
確実にこれらは移動し慣れている。
全員で五人だ。
五人で私を運びながら、割と早いスピードで進んでいく。
慣れていないと出来ない動きだ。
…一体、どこに連れて行かれるんだろう?
不安を抱きながらも、ただなす術なく運ばれるしかなかった。
やがて、下りに差し掛かり、どんどん山を下っていく。
すると、遠くに建物がある何やら村のようなものが見えた。
ニオの村に比べたらはるかに小さい。
村というよりは集落だろうか?
あそこがこの者たちのアジト…
遠くに見えていた集落がどんどん近づいていく。
やがて、その集落の入り口であろう場所に着くと、私を閉じ込めているルウの塊はピタリと止まった。
すると、黒い集団たちは私を雑に地面に落とした。
とはいえ、ルウの塊がその衝撃を吸収しているので痛くはない。




