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SEVENS OCEAN  作者: おきゆむ
5.ブルー
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39/72

ノアニール①

それから繁華街をひと通り歩き回った。


くまなく歩いたかと言われれば疑問だが、人を探すという点では充分だと自分でも評価する。


そして、再び広場へと戻ってきた。


また、さっき座っていたところに腰掛けて水を飲む。


空を見上げると先程よりも随分と日が傾きかけている。


「どう?何か感じた?」


腕に抱きかかえている剣に問いかけた。


周囲には私の姿しかないので、今は遠慮なく声を出す。


『いや、全く感じない。ミキヒコのやつちゃんと助っ人を手配していたのか?』


とアクエリアスの言葉に少し不安を覚える。


それを察したのかアクエリアスが続けた。


『…大丈夫だ。ミキヒコならしっかりと先を読んでいる筈だ。あいつがこの町にいると言ったのなら必ずいる』


とアクエリアスが断定してみせた。


それにこくりと頷いた。


とはいえ、日もそろそろ暮れそうになってきている。


…必ず会えると信じてはいるが、今日は無理かもしれない。


そのときはこの広場で一晩を過ごそう。


また、変なのが寄ってこないか心配だけど、今はアクエリアスもいるし、宿に泊まるお金なんてないから仕方がない。


と少し諦めかけて俯いていた時だった。


目の前に誰かの足が見えた。


…誰!?


思わずバッっと顔を上げる。


するとそこには一人の黒髪の男性が立っていた。


その男性の格好は町の人とは違って、魔導士が着る白いローブのようなものを身に纏っている。


ルーラー…?


もしかして、この人が六倉さんが言っていた人?


男性は私と目を合わせるとにこやかな笑顔をみせた。


六倉さんよりも随分と若い男性だ。


「もしかして、あなたの探し人は私ではありませんか?ミス・ナナミ」


その言葉に思わず歓喜してしまう。


「そうです!あなたが六倉さん…じゃなかったロックさんの言っていた人ですか?」


と嬉しさのあまり、勢いよく立ち上がって訊ねた。


「ムツクラさんでも分かりますよ。はい、初めまして私がロックさんからあなたのことを頼まれていたルーラーのノアニールです」


とノアニールさんが私が安心できるような笑顔と口調で説明する。


「…良かった。やっと会えた…」


安堵しすぎて再び石の上に腰掛けた。


「すみません…私も早く来なければと思っていたのですが色々と立て込んでいて、さっきこのメキラに着いたばかりなんです」


ぶんぶんと首を横に振った。


「こうして無事に来てくださっただけで充分です。良かった…本当に良かった」


「その様子だと大変だったようですね…今日はこの町の宿に泊まって、明日の朝からファーシル城を目指しましょう」


とノアニールさんが優しく私の頭を撫でた。


「随分と汚れている様子ですし、宿でシャワーを浴びて綺麗にしないといけませんね」


その言葉に更に心が安堵する。


少し自分の匂いを気にしていたのでノアニールさんの口から出たシャワーのワードはかなり嬉しい。


「そうだ!?六倉さんは?六倉さんは大丈夫なんですか!?」


再び立ち上がって、ノアニールさんに問いかけた。


「…わかりません。こちらの世界に来た瞬間、イシスに奇襲されたことまでは私も知っていますが、そのあとのことまでは…ただ、あの人なら大丈夫だとは思います。それはあの人をよく知る私が保証しますよ」


その言葉に再び安堵する。


「私たちがファーシル城を目指して着く頃には、おそらくあの人もファーシル城に到着していますよ」


「…そうですよね。きっと大丈夫ですよね…」


少し不安はあるけれど、きっと六倉さんなら大丈夫だと自分に言い聞かせる。

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