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SEVENS OCEAN  作者: おきゆむ
5.ブルー
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38/79

アクエリアス目覚める

しかし、あれからしばらく町を歩くも、そんな人はなかなか見つからない。


そもそも分かっているのが男の人だということだけなので、当たり前といえば当たり前だ。


思った以上に町の中は広く、町を全て歩いて回るだけで軽く1日はかかりそうな気がする。


時計がないので、何時間経過したかは分からないけれど、空の太陽の位置でなんとなく理解はできた。


およそ2、3時間は経っている。


太陽が東から昇って西へと沈むのかどうかまでは分からないけれど、太陽が昇ってほぼ真上にまで上り、そして沈んで夜が来るのはどうやら私のいた世界と一緒のようだ。


少し歩き疲れて、噴水のある広場のような場所の石の上に腰掛ける。


そして、ボンサックの口を開けてコナンさんが水を入れてくれた水筒を取り出した。


先のこともあるので、あまり飲まずにゆっくりと一口二口飲んでやめておく。


飲んだあとでふと周りを見ると、広場には私のようにちらほらと休憩している人たちの姿があった。


その光景が私のいた世界とあまり違わないように思えてどこか懐かしさを覚えた。


広場の真ん中にある噴水に目をやる。


噴水の吹き出す水はおそらく「ルウ」の力によるものだろう。


まるで生きているみたいに水が踊っていた。


それを見ながら水筒の蓋を閉める。


歩き疲れて渇いた喉が少し潤う。


と若干ホッとした時だった。


頭に声が聞こえてきたのだ。




『…ナナミ?』




「アクエリアス!?」


思わず大きな声を出した。


すると周囲にいた人たちが訝しげに私に視線を向ける。


それに思わずハッとなり、次は剣を口元に寄せて小声で話す。


「アクエリアス…?大丈夫?」


『ああ、俺様は大丈夫だ。ここはどこだ?ナナミは大丈夫なのか?』


頭にアクエリアスの声が入ってくる。


それと同時に少し剣が揺れた。


おそらくこの声は私の頭に直接語り掛けてくるもので、周囲には聞こえないのだろう。


誰もいない森の中なら遠慮なく声を出して話せたが今はそうはいかない。


「…私は大丈夫。アクエリアスのお陰で森を抜けてこのメキラの町に無事に着いたよ。まあ…色々とあったけど、色んな人に助けてもらってこの通り私は元気」


と周囲に聞こえない程度の声量で話した。


『そうか…それなら良かった。気がついた時、ふと危ない目に遭ってなかったかと心配したぜ』


…まあ、思いっきり遭ってしまったけれど、無理にアクエリアスを心配させてもと思い、奴隷にされそうになったことは伏せておく。


「ありがとう。大丈夫、食料と水を飲食店のコナンていう店主さんから頂いたから、しばらくは大丈夫そう。でも、早く六倉さんが言っていた人と合流しないとね」


『そう言えばそうだったな。そうか、まだ出会えていないのか?』


「うん、町の中を探索したけれど、まだ出会えていないの。その人と日が暮れるまでに会わないと今日もどこかで野宿しないといけなくなるから急がなきゃ」


と勢いよく石から立ち上がる。


『まあ、俺様は野宿でも全然構わないけどな』


そりゃあ、あなたは剣だしね。


と心中で毒づく。


「私はそうはいかないの。さあ、行こ」


小声で呟いて広場をあとにする。

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