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SEVENS OCEAN  作者: おきゆむ
4.アクエリアス
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俺様はアクエリアス①

…気のせいだろうか?


誰かに助けて欲しいから幻聴が聞こえたのかもしれない。


なら直接、頭に聞こえてくる感覚だったのは頷ける。


何かに期待して上体を起こしたが、がっくりした矢先、また私は地面に転がった。


…動きたくない。


どうせ、こんなに暗かったら歩きようがないし、朝が来るまでは無理だ。


でも、朝が来ても私は動けるのだろうか?


例え、動けたとしても果たして森を抜けることが私に出来る?


このまま、ここで死んでしまうのではないだろうか…


しかし、意外にも死の恐怖よりもそれを望む私がいた。


何もかも嫌になった私はここを死に場所に選んだのかもしれない。


地面に寝転んでいるからか身体が冷えてきた。


食欲はないけどお腹は空いているし、喉もカラカラだ。


まあ、いいや…


望み通り「エヴァ」には来れたのだから…


悔いはない。


ただ、ロックさんには申し訳ない気がした…


あと、私が本当にこの王国のナリア姫とかいう人物なら、この国の民はきっと可哀想だと思った。


だって、こんな情け無い私がこの王国の姫だなんて…


亡くなった王の意思を継ぎ、大臣の思惑通りにさせないようにこの王国を立て直す…それがおそらくロックさんの考えの筈。


だから、ナリア姫を…私を安全な場所に避難させた。


いつかこの王国を救うべき存在だと期待して…


しかし、当の本人はこの通り…


…やめよう。


もう、そんなことどうでもいい…


私が姫…?


そんなの知らないわよ…


私は私…こんな情け無い私なのだ。


夢なら早く覚めてほしい…お願いだから早く…


「今すぐ私を夢から覚めさせてよ!」


静寂を破るように叫んだ。


心中で抑えきれなくなり、声に出た。


まあ、誰もいない森の中だ…遠慮はいらない。


「…何なのよ一体…何で私がこんな目に遭わないといけないの!?」


思いっきり右手で地面を叩いた。


「私が何したって言うのよ…お願い誰か助けてよ…」


バンバンと地面を叩いて泣きじゃくる。




『何やってんだ?』




「…!?」


聞こえた…幻聴じゃない…誰?


『泣いたり急に怒ったり…忙しいやつだなナナミは?』


と頭にはっきりと言葉が入ってくる。


「えっ、えっ?どこ?誰なの?」


バッと上体を起こし、キョロキョロと辺りを見渡した。


しかし、誰もいない。


『どこを見てる俺様はここだ』


とまた聞こえてきた。


「誰…?ここって、どこにいるのよ?」


涙目で怪訝な表情を浮かべる。


『こっちだ下だ下』


と言われて下を見る。


下には地面に置いてある剣しかない。


「えっ…?」


じっと剣を見つめた。


『そうだ剣が俺様だ』


と剣が私の頭に話かけてきた。


驚いて剣から離れるように後退りする。


「け、剣が喋った…!?」


『何?剣が喋ったらいけない理由があるのかよ?失礼なやつだ…』


と剣がぼやいた。


それに驚くも、この世界なら充分に起こり得るかもしれないと受け入れようと少し剣に近づいた。


「…ごめんなさい。急なことで頭の整理が追いつかなくて…」


『分かればいい、仕方ないから許してやるよ。俺様はアクエリアス。名前はロックから聞いていただろう?』


ロックさんが剣を私に渡した時のことを思い出す。


「は、はい…確かに言ってました。あの…アクエリアスさんは一体…何者なんですか?」


と恐る恐る訪ねる。


まだ、剣と話している実感が湧かない。


『俺様は見ての通り剣だ。さん付けなんてしなくていいアクエリアスと呼べ。あと敬語も使うな』

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