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第7話 女神ファリスとおっとりな母

「開けろ開けろ開けろ開けろ」ブツブツブツブツ・・・


女神とあろう者が、一村人の実家の玄関前でメンヘラみたいにブツブツと同じ言葉を小さい声で呟いている。


「・・・・僕のせい?」


いや、そんな事はない・・・筈だが…


それとも、勇者の話を断ったから怒ってるのか?


「あっ」


ここで僕は、脳内で女神から逃げるときに言ったセリフとその時を思い出した


「それじゃあな!二度と喋りかけてくんなこの痴女、あと爺さんも!」


「え?」


「え?」


・・・あれか、あの時の言葉で怒ってここまで来たのか。


ドンドンドン!!!


女神ファリスがドアをまた叩き始めた


「な~に?。アスタル~、どうしたの~?、誰か来てるの~?」


母がそう言いながらこちらに向かってくる足音が僕の耳に聞こえた。

 ま、まずい!!

このままじゃ、鉢合わせになってしまう!!


「開けろ開けろ開けろ」


「アスタル~?」


母の姿が廊下の先に見えた


「お、終わった・・・」


思わず涙目になる。ここまで周りに迷惑がかからない様に生きてきたのに~!!!、この世界では異世界の話も極力しない様にしてきたのに、、これもここまでか・・・。これから僕はめんどくさい事に巻き込まれていくんだ・・・、なろう系とか王道しか見たことないからどうすればいいか分かんないよ~(アニメ勢)。


「アスターー」


母の目が見開く。僕の目を見てから固まってる様だ。


「アスタル、誰が来てるの?、ママが話します。」


「え、どう…したの?母さん…」


いつものとは違う母の雰囲気に思わず言葉が詰まってしまう。

・・・・もしかして、僕が涙目になってるから、勘違いしてる?イジメられてるとか、そういう・・・・。


「!!」


僕は玄関に背をつけ両手を母に向け「待って!!」と叫んだ。


「ち、違うから!!、そういうのじゃないから!!心配しなくていいよ!!っははは!!!」


僕は作り笑顔をしながらそう母に向かって言った。・・・これは、イジメられるヤツの典型的なセリフじゃないか?このセリフを選択した自分は大丈夫だろうか。


僕は母の足から、体から顔に視線を移した


「私に心配させないように、そんなに無理をして!!。気づけなくてごめんなさい。もう大丈夫だからね!ママが助けるから!」


母は目に涙を貯めていた。・・・どうやら、セリフを間違えたようだ。


「あ、母さん!!本当に違うから!そういうのじゃないから!!本当に!!!信じて!!」


その時、玄関の扉を勢いよく叩く音が大きく家の中に聞こえるように響いた


「開けろ!!開けろ開けろ開けろ!!!」


タイミング悪いな!! 僕が必死に問題を抑えようとしてるって分かんないのかな!?この女神は!!。


「!!、アスタル!今すぐそこをどきなさい!ママがもう実力行使しちゃいます!!」


母はそう言うとエプロンを脱ぎ棄て、僕の前まで血相を変えて来た


「あ母さん!!本当に違うから!!しかも、声聞いたら分かると思うけど、相手女の子でしょ?大丈夫だから!!」


「アスタル」


母が優しく僕の肩に手を置いた。


「そこをどけって言ってんだろ」


「あっはい」


僕は母の顔から目線を外し、玄関の横に綺麗に起立をした。いや、していた。


「私のアスタルをイジメるのは誰かしら」


母はそう真顔で言いながら玄関のドアを開けた


「開けろ!!開け――」


女神のファリスは、玄関を勢いよく叩いていたので、玄関が突然開いたことで、その反動で前のめりに倒れた。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


気まずい沈黙が流れる。玄関先で倒れる女神、ソレを上から見下ろす我が母、そして、母の威圧で口を閉ざしている僕。


その沈黙を破ったのは、


「かわいい」


という母の一言だった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


~10分後~


「あらあら~、ファリスさんていうのね~~」


「あ…先ほどはお騒がせしました。すいません」


「いいのよ~別に~。ねっ、バカなアスタル?」


「」


「返事は?」


「はい!!」


どういう事かを説明すると、母がファリスの味方になりました。


あの10分の間で、起こったことを分かりやすく説明すると。


母はファリスがもの凄くかわいいと分かると、ウキウキで家に上げてしまった。

 その時に、「息子にも春が来たのね!!」と楽しそうにしていた。

    

次に、母はファリスに軽く質問をしたんだ。

 「なんで、ここに来たの!!?」

この時、僕は勇者とかめんどくさい事言わないでくれよ!!っと心の中で念じた。だが、その念が届いたせいで更にめんどくさい事になってしまった。


ファリスは椅子から立ち上げり、僕に上から鋭く指を指(さ)した。


 「私がここに来たのは、この男に話があって来たんだ!!」


 「アスタルのこと、男って言ってる~!!、意外と肉食女子なのね~~」

と手で口を隠しながら小声で楽しそうに言う母を腹目に僕は内心息を荒くしていた。


 勇者の事いうな!勇者の事言うな!!神様、女神様!!一生のお願いだから!!


そんな事を人生で初めて思ったからか、分からないが一生のお願いが直ぐに来た。


 「この男が!、この男が!!…ゆ、勇者に!!・・・・ゆ、うわぁぁぁぁんん!!!!」


 「!!」


 「!!」


ファリスは突然と泣き出し、僕に差していた指も力なくなっていき、そして、足の力も抜け、家の床にへたり込んでしまった・・・。


 「だ、大丈夫!?どうしたの!?」


母は直ぐに、床にへたり込んだファリスの所に近づいた。目線をファリスに合わせ、両肩を心配そうに触っていた。


僕もファリスの所まで近づき、後ろから大丈夫か心配で見ていた。


 「アスタル、飲み物を取ってきて!、ホットミルクね!」


 「わ、分かった!」


母に頼まれ、僕は急いで台所に向かおうとした。


その時だった。


 「私は女神なのに~~、あの男に~~、痴女って言われた!!~~、女神なのに~~!!」


 「え」


その時、家中が凍り付くのを肌で感じた。パンツだけだったから感じたのかもしれない。


 「・・・・」


 「ひっぐ・・・ひっぐ!!!」


肩を震えさせながら泣くファリスの肩をさすりながら母は静かにこちらに振り返った


 「アスタル?、お前は何をしたんじゃ!!!」


いつもの母の優しい顔が鬼の顔になった!!、怖い!!。


 「あ、違うんだよ!母さん!!本当に!!」


 「服着て、ここに戻ってこい。逃げたら…分かってるよなぁ?」


「―――はい」


 僕は冷や汗を流しながらそう返事をし、服を取りに自分の部屋に行き、服をきて、母の言われた通りにテーブルへと戻ってきた


~~そして、現在に至る~~


というか、母が僕の為に作ってくれた角豚肉のシチューリゾット・・・この女神に全部食われたんですけど・・・。


目の下を赤くしたファリスの正面に座った、座らされた、気まずい。


な、なんか喋ってよ・・・


しばらく向かい合ったまま黙っていた。しかも、お母さんもなぜか黙ったままファリスの横に笑顔で立ってるだけだし・・・。


「あの、お母さまにはあまり聞かれたくない話ですので、出来たら席を外して頂く事って可能でしょうか?」


ファリスは通りがいい声で母に丁寧にそう促した。


あれ?、こういう性格だっけ?。第一印象は〈強気な女〉って感じだったけど、今は礼儀とかマナーがちゃんとしている貴族の女性の様だ・・・。座り方とかが特に上品。

まぁ、服装は相変わらず痴女だけど・・・・、上半身は包帯を胸に巻いただけだし。すごい目のやり場に困る。


 「!!ママの私に聞かれたくない事!?・・・・ファリスさん、ちゃんと責任取らせるから大丈夫よ!」


母はファリスの両手を優しく包みこむように掴みながらそう覚悟を決めた顔をした。


ファリスは困り顔で「あ、はい」と母に小さな声で呟いた


母はそのあとに、ものすごい怖い表情で僕を睨んできた。僕は目を反らした。 


「じゃあ、買い物を行ってこようかしらね!」


母は買い物かごを取ると、僕の前まで来た。僕は椅子に座っているので、見下される感じだった。


「ちゃんとケジメはつけろよ・・・」


ドスが効いた声で言われ、僕はかすれ声になり「はい・・・」と答えた


 「じゃ、行ってきます!」


 「あ、お気おつけて」


 「・・・いってらっしゃい」


玄関の扉が閉まる音が聞こえると、沈黙が流れた。


外の木々が弱い風で揺れる、軽いざわめき音が大きく聞こえた。


 「あの、痴女って言ってごめんなさい。もう言いません。」


僕はテーブルの下で両手を交差せるようにもじもじとさせながら、ファリスから視線を外しながら謝った


 「いや、私も悪かったよ。家まで来てごめん…な」


沈黙が流れる


 「あ、あの~~、なんで、ここが僕の家って分かったんです?」


ファリスは少し目線を外した。言いたくない事なのだろう、という事はなんとなく分かった。だが、ファリスは自身の白銀の髪をとかすように触り「まぁいいか」と呟いた。


 「女神の能力で位置が分かるんだよ。一回会った人とか、探したい人とか」


 「へぇ~~。凄いですね」


 「勇者になったら、女神の加護で使えるようになるよ」


 「」


 「」


それの話をしたくないから「なんで、家に来たんです?」を「なんで、家が分かったんです?」にしたんだけどな~~!!、この女神とはつくづく合わない。


 「あのですね。勇者にはならないといった筈ですが?」


 「・・・・・本当に?」


ドキッ!


涙目の上目使いで言われると、やばいな・・・。自分の顔が熱くなるのを感じる。


 「な・・・ならないです」


 「そっか・・・・」


き、気まずい・・・・。助けてゼノン!!!!



――そのアスタルの願いが届いたのかは分からないが、ゼノンはゆっくりとアスタルの家へと向かっていた――


「へっ!~くしゃみ!!!」


あ~誰かが俺の話題をしてんのか~?。


ペラッ


「この本読んだら、アスタルの家に行くか」


――・・・アスタルの願いは届いたのであろうか?・・・・――――




。。。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。

感想!!!アドバイスお願いします!!

この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




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