第10話 親友が女になっていた。
前回のあらすじ
女神ファリスを家に招き入れ、ファリスと重い大事な話をした。そこで僕は勇者にはなりたくない、その理由は恥ずかしいからと言った。その言葉がファリスの逆鱗を触れ、ファリスは僕に攻撃をしてきた。
僕はその攻撃を避けたが、窓の外に飛んでいったその攻撃は、外にいる人物に当たった。
その人物の声は僕の大事な友達のゼノンの叫び声だった。
僕は外に急いで出ると、そこには人は一人もいなかった。
だが、目線を下げた時に、女性が僕の家の壁にもられがかっていた。
その女性にいろいろな質問をしている時に気が付いた。
「(だれかに似ている)」
僕は恐る恐る質問をした。
「ぜ、ゼノン?」
その女性はしっかりと頷いた。
ゼノンは女になっていた。
「ぜ、ゼノン?」
僕は体も顔も女の様になっているゼノン似の女に僕はそう訊いた。
「う、うん」
女は目を見開き震えた眼で、頷いた。その女はゼノンだった・・・。
「本当に?、冗談じゃなくて?」
心臓がバクバクした。女が、いや、ゼノンの体がやけにいやらしいからだろうか。
でも、なんでだ?、ファリスが放ったビームは男を女にするビームだったのか?。何のために?。
「あ、アスタル・・・」
ゼノンが僕の長ズボンの裾を握ってきた。その時、いつもの様に触れているゼノンの感触に妙に体がビリっと電流が流れたのを感じた。布越しで僕はなんで驚いているんだ!?、冷静になれ、冷静になれ。自分にそう言い聞かせながら僕はゼノンの方を見た。ゼノンは僕より元々背が低かったから、いつもの様に少し顔を下げるだけだ・・。
「な、なに?」
僕は平然な顔をしながら、ゼノンの方に顔を向けた。
「お、俺の体って・・・」
ゼノンは上目づかいで僕の目を見た。クッ!!や、やめちくれ~~!!、なんか、やばい気がする。ゼノンのまつ毛が女の様になっているにこの時気づいた。
「本当に女になったんだ・・・」
僕は思わず口が緩んでそう口にしてしまった。
「!!」
ゼノンは僕の言葉を聞くと、目に涙を浮かべ顔を伏せてしまった。
「え!?ど、どしたどした!???だ、大丈夫」
僕は腰を落とし、ゼノンの顔を下から覗く様にした。
「お、おれは、、これからどうしたらいいんだ・・・」
ゼノンは泣きながら震えた声でそう口にした。本来ならばそこを気にするべきなのだろうか、そのことよりも気になる事があった。
ゼノンが自分の涙を隠すために覆っている手がある、その指と指の間から涙が落ちる、その涙がゼノンの乳房の上部分に落ちているのが僕は気になった。僕は、友達に何をこんなに・・・。罪悪感が重く僕の上にのしかかってきた。
いや、このままじゃ埒が明かない。一旦、家の中に入ろう。こんなゼノンを村の人、特に男に見られたらどうなるか分からない。
「ゼノン、一旦、僕の家の中で話そう。話して落ち着こう。」
僕は顔に笑顔を作り、顔を伏せているゼノンに明るい声でそう言った。ちゃんと明るく聞こえているだろうか。
「あしが・・・」
ゼノンが泣きながらそう言ったので、僕は何を言っているのか分からなかった。だから、聞き返した。
「どうしたの?」
「足が動かない・・」
「え?」
ウソだろ。まさか、ファリスが放ってあの白いビームは男を女にして、しかも、女にした後に足も動かせなくする悪魔的な技だったのか!?。
「ゼノン!」
僕はゼノンの片足を急いで触った。もしかしたら、この現象がウイルスのようなモノだとしたら僕のスキルで治せるかもしれない、と思ったからだ。
「ッ」
あったかい、ゼノンの細い足を両手で慎重に触った。ドクンドクンと血液が流れているのを感じる、ふくらはぎの方も触ってみよう。僕はゼノンのふくらはぎを触った。ふくらはぎの肉を指で少し押し、跳ね返ってくるを見るという医療的な方法があるのだ。ふくらはぎが跳ね返ってきたら血液がちゃんと動いているという証拠になる、基本的には糖尿病の検査で用いられるものだ。
「ンッ、痛い」
ゼノンの小さい声が僕の耳に聞こえた。僕は急いで指を離した。
「ご、ごめん!、痛かった?」
ん?痛い?
「痛かったの?」
僕はゼノンの顔色を見ながらそう質問した。
「・・・・」
ゼノンは少し僕から目線を外し、少し黙った後に「痛かった」と小さな声で呟いた。
「そ、そうか・・・、でも、痛いって事はちゃんと神経が巡ってる事だから、良かったね。足は大丈夫だよ。・・・・」
数秒の沈黙、だが、その静けさが妙に長く感じた。
その沈黙の中、ゼノンが一瞬僕の方を見た気がした。
ゼノンは声も女の様になっていた。低い声だが、その低いは女と分かる程の低さだ。男の声と間違えるとかそういうのは起こらない、紛れもない女の声だ。しかも、少し綺麗な声だ・・と思う。
それが、一番僕に効いた。女の顔とか、女の体つきとかはその次に効く。
この女と喋っている感は、すごい・・・。
「アスタル・・・」
「!、どうした?」
少し噛みながらそう言ってしまった。ゼノンはその時、両手を広げていた。
「おぶって、ほしい・・・」
ゼノンはその顔を赤らめた。・・・・ゾクッ!!。
「・・・・え!あ、え・・ああい、いいよいよ!!OKOK!!」
何を僕はきょどっているんだ。相手は女の姿になったけど小さい頃からの友達だぞ、親友と言ってもいい。ゼノンが広げている両手の間には女の様な胸があるけど、立派なモノがぶら下がっているけど、それに興奮とかするなって!!僕!!。
冷静に冷静に。僕は聞こえるはずのない心臓の音をゼノンに聞かれない様にしながらゼノンの体に触れた。
「ッ・・」
そんな艶っぽい声を出すなって!、軽く腕を握ってだけじゃないか・・。
「ごめん、痛かった?」
僕もすぐに訊くなって!!、別にいいだろ!、相手の中身は男だぞ!。
「だ、大丈夫・・・」
ゼノンは恥ずかしがりながら目を前髪で伏せながらそう言った。
あれ?、そういえば、この状況からどうやってゼノンをおぶればいいんだ?。ゼノンは背中を僕の家の壁に預けてもたれかかっているし、驚いたせいか分からないが足が動かない状態だし、腰が抜けたってのが正しいか。
「?」
ゼノンは動かくなった僕を見ながら、少し戸惑っている。少し待ってくれ。
しかも、考えてみれば、ゼノンをおぶる、背負うって事は、つまりゼノンの胸についているモノが僕の広背筋に当たるという事だ。・・・そ、それはまずい。
それは避けなければ。
「ゼノンは移動したいだけでしょ?」
「?。そ、そうだな・・?」
「・・・オケ」
僕はゼノンの顔の前に自身の外頭部を近づけ、掴んでいた腕を離し、ゼノンの太ももの下に回し、もう片方の腕をゼノンの背中に回し、持ち上げた。
「へ?」
僕はゼノンをお姫様抱っこした。
抱っこした際に気づいたが、ゼノンは女の匂いがした。本当に変わったのか・・・。
ゼノンは最初は普通の顔をしていたが、段々と何故か顔を赤らめていき、湯気が出そうな位顔を赤くした。
「は、離せ!!!、離せ!!!はなせ~~~!!!」
ゼノンは突然僕の腕の中で暴れた。足も動いていたので、安心した。
「いてっ」
ゼノンは本当に暴れていてので、ゼノンの拳が僕の顔に何発か当たったが、痛くは無かった。
・・・・柔らかい手になっていた。
いや、そんな事を思ってる場合じゃない。
「ゼノン!、暴れたら落ちるって!、今のゼノンは小さくなってるからこの高さから落ちたらケガするよ!」
僕はゼノンを落とさない様に、しっかりとゼノンの肩と足の掴みを緩まない様にした。そのせいで、顔にくるパンチを防げないけど痛くないからいい。
「離せ!!はなせ!!!!」
癇癪持ちの赤ちゃんを抱っこしている母の気持ちはこんな感じかと実感した。
「ぜ、ゼノン!!本当にケガするって!、家に入るだけの間だけだから!!」
この時、家の中から足音がした。こちらに向かってくる足音だ。
今か!、今来たらややこしくなっちゃう!!。
「アスタル!ゼノンちゃんは大丈夫だった!?」
開いた玄関の前から、母は急いで身を出し、僕の方を向いた。
「あ、アスタル?、その子は・・・」
「離せ!!離せ!!!はなせ~~!!!」
「い、いやコレは!」
母の絶句顔は印象に残った。僕の腕の中にいる小さい女の子、しかも、その女の子は僕の事を嫌っている素振りをみせている。
この光景を見た者は大体――
「アスタル、変態になったんかワレェ!!!」
――こういう反応になるだろう。
母の鬼の顔は、今日は二度も見た。一年に1、2度の顔を、今日で二回も見た。
「!!・・・アスタルのお母さん?」
ゼノンは暴れるのを止め、母の変わり果てた鬼の顔を見ると、少し怖がってる顔をした。
これから、怖い目に合うのは僕だっていうのに・・・。
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この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




