ダンジョン・ディストピア ~旧時代的な美徳が支配する国で、ダンジョン攻略で得た地位を利用し、合法ハーレムを築く～

40年前、ダンジョンが出現し、国家資格「ダンジョン制圧士」が誕生した現代日本。
スマートフォン、SNS、流行の音楽。その日常は、我々の知る社会と何ら変わりない。

だが、この社会は「平和を守る」という大義のもと、「適性者」たちがモンスターとの終わらない戦いを強いられることで成り立っていた。

ダンジョンと共に異なる歴史を歩んだこの国では、女性が男性を立て、支えることが自然な美徳として浸透し、性別による役割分担を誰も疑わない――表向きは自由で豊かな社会でありながら、旧時代的な価値観が巧妙に人々の内面を支配している。

女性は同年代の男性にも敬語を使い、常に微笑みを浮かべ、男性受けの良い服装を選ぶことが「女性らしさ」とされる。そして職場では、秘書や受付は女性の役割として固定化され、懇親会では若い女性が上司にお酌をするに留まらず、男性を楽しませる「華」としての役割を求められる。

そんな世界で希少ジョブ「召喚師」として覚醒した主人公・神谷 蓮(かみや れん)は、将来のエリートを育成する最高学府、国立ダンジョン防衛大学校へ入学する。

そこで始まるキャンパスライフも、彼にとっては野望を叶えるためのゲーム盤に過ぎない。

レアジョブとユニークスキル【共鳴の鎖】を武器に圧倒的な実力で頭角を現すと、その立場を狡猾に利用して社会システムを乗りこなす。SNSで人気のエリート女子大生、名門のお嬢様、トップアイドルをはじめとする、才能と美貌に恵まれた女性たちが、この歪んだ社会の制度を武器に、一人、また一人と彼の支配下に堕ちていく。

しかし、それは純粋な愛情だけではない。嫉妬、打算、社会制度による従属、そして自らも気づかぬ依存――複雑な想いを抱えた女性たちが、互いを牽制しながら、蓮を中心とした歪な関係に囚われていく。

それでもなお、蓮は己の欲望のままに突き進む。

全ては、歪んだ社会で己だけの王国を築くために――