ロボット型魔道具
「……ここか。」
俺は地下通路を進み、魔道具の光がある大広間に出る。
広間の中には中心に謎の前世のロボットアニメにでも出てきそうな大型の人の形をした魔道具と複数の魔方陣、そして様々な研究用の材料に素材が木箱の中に入っていた。
この盗賊団……ただダンタロッサ商会と繋がっているだけじゃなさそうだ。ただの盗賊たちが高い知識を必要とする魔方陣を作れる訳がない。
となると、誰かしらのスポンサーが裏にいることが確実。そのスポンサーが誰なのかは分からないがな。
「……!?」
注視していた大型魔道具のコア……人で言う心臓の部分を見て目を見開く。
魔道具のコアと思われる場所には結晶に閉じ込められているエメラルド色の髪をしたエルフのガキ……先程のエルフのガキが言っていたお姉ちゃん、がいた。
恐らく、彼女の魔力を動力源としてこの魔道具を動かしているのか……!確かに魔道具に人が触れていた方が操作性、出力などが向上する。だが、人をそのものを入れる発想は想像出来ないぞ……!そもそも、それは人体を使わないと意味がない……あぁ、そういうことか。
(人体実験のつもりか……!これのスポンサーは……!)
盗賊たちにこの魔道具を高い出力を出せる遺跡の骨董品として売り、その出せる出力と操作性、それと外部からの操作性について調べるつもりだったのだろう。
興味は尽きないが取りあえず邪魔になる資料とか素材を片付け、ひとまず解体を……
『エリア内に侵入者を確認しました。臨戦態勢を取ります。』
「……!?」
突如、機械的なアナウンスと共に魔道具が動き始める。
一応重要そうな素材とか資料とかは片付けれたからいいが……このロボット、恐らく戦闘用だな。肩にビーム砲が撃てそうな砲台が二基、左手はガトリングで右手がビームサーベル、両足は若干空中をホバリングしている。
こいつは……かなりヤバイかもな……!
『待避行動せず。戦闘を開始します。』
「やばっ!?」
俺が横に転がって避けた瞬間、肩の砲台からビームが撃たれ、俺がさっきまで立っていた場所が熱で融けた。
あんな一撃が入ったら俺の命は……無い!
『排除します。』
「[夜風・瞬風]!」
避けた場所にガトリング砲が火を吹いてきたため、全身に風を纏い、天井に飛び、天井のを左手のみでぶら下がる。
あのロボットは下の方を見渡すが、俺のいる天井には
ヤバイ。あのロボット、まじで強い。
しかも、あの攻撃のすべてが魔力で作られていやがる……!魔力は人の体力に限界があるように上限がある。基本的に魔力の全体の八割を切った瞬間、人は失神する。それを越え、全てを使いきった瞬間、恐らくは死ぬ。だが、あれはそう言った理論を元に作られていない。
つまり、あのロボットは魔力源であるあのガキが死ぬまで動き続けることとなる。
つまり、これを相手にするには長期戦は絶対厳禁ということで、更に短期戦を望まないといけないということか……!
(……あの手がある。)
けど、それを一瞬で解決する方法は、ある。
だが、まだ一度もやったことのない使い方だし、あのロボットに接近する必要がある。やれるか……?
いや、やる!あのガキとの約束はちゃんと守らないと、あの時の二の舞だ……!
「ふぅ……!」
俺はタイミングを見計らい天井から手を離し、下に落ちる。
『排除します。』
「[夜風・剣式上弦]!」
落ちてくるのを見計らっていたかのように突き出されるビームサーベルを黒い風を纏い、同じ色の風を噴射させた剣で沿うように触れ、噴射する位置を変えて横にズレる。
上弦の剣は風をジェット噴射させて勢いをつけさせる技。これがなかったらマジで死んでたぞ……!
『排除します。』
「させるかぁ![夜風・極宝穿ち『連』]!」
こちらに向いた砲台に向けた黒い風の突きを幕のように薄く広く連続でだし、砲台を破壊させ、暴発させて両肩を粉砕する。
これでもうガトリング砲もビームサーベルも使えなくなったぞ!!
「[『呪いの精霊よ、禁断の門を開くのは我なり、門の鍵を持て。『カース・シルバーキー』]」
相手が体勢を崩している隙に全速力で魔法の詠唱をしながら走り、本体に手を触れる頃に詠唱が完了させ、禍々しい色をした魔法陣をロボットのコアに設置する。
この魔法は鍵を開けるだけだと思っていたが、鍵を開けると言う行為が出来るのであればどのような封印すらも解除できるのではないか?
だって、鍵を開けるのも呪いを解除のも大差のないことだからな。
「……ッ!!」
かなりの魔力をロボットに注ぎ込み、ロボットの封印を解除、コアからエメラルド色の髪のエルフを抜き取る。
魔力が残り二割のところで救い出せたが、後少し遅かったらヤバかったかもな……。けど、何とか生きてる。
これで、助けれたな。
「さぁ、お前の妹のところに戻ろうか。」
それと、これについて少し調べたいし、幾つかの部品とコアを持っていこっと。




