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剣魔祭説明

「では、説明するとしようかのう。」

「早く説明しろ。」

俺たちは不満そうな顔をしてテーブルの向かい側にいるドリスを睨み付けている。

アネモたちは秘書の人が説明するらしいから別室に向かい、俺たちはドリスから説明を受ける事となった。

「まず、今回の前哨戦はお主らの実力を見せるとともに―――貴族のヒューマン至上主義者たちへの牽制の意味があるのじゃ。」

「……なるほど、私たちはヒューマンやエルフの混合チーム。牽制には最適だったと。」

「更に言えば、俺たちをドリスの『駒』と誤認識させることで、俺たちへの妨害行為の牽制にもなるな。」

「う、うむ……言いたいことが、ここまで予測されるとは……。」

俺たちが一瞬で予想した内容を言った瞬間、ドリスは少し拗ねたような顔をした。

あー、つい予想を言ってしまった。予想することは俺には案外しやすいものだけどな。

「俺っち、剣魔祭に必要な情報が欲しい。それについても説明があるんだろ?」

「うむ、あるぞ。」

豪快な笑みを浮かべたアルンに話しかけられたドリスはぱっ、と表情を明るくして(無い)胸を張った。

「まず、開催地は『ガジェット』。ここから半日した位の位置にある都市でやることとなる。」

「『ガジェット』?あそこには古い遺跡何かがあって結構賑わっている都市だった筈だ。」

「あら、アルンは行ったことがあるの?」

「護衛依頼でな。」

アルンとジャスミンは笑いながら少し会話をしている。こいつら、これで付き合っていないのか?

てか、よくよく思い出したら俺もちょっと行ったことがあるな。

裏での依頼で『ガジェット』に来た要人の暗殺兼コネクション作りのためだったが、確かに賑わっていた。たしか、一年くらい前だったはず。

「うむ、お主らの宿泊する宿等もそこにある。」

「……その宿は?」

よく授業中に居眠りをするエラは首を少し傾けていつもの無表情でドリスに質問する。

前世の体育会系の部活ではよくあることだが選手が最大限のポテンシャルを発揮出来るように宿泊先を厳選することが多い。

俺としても、そうしてもらいたい。

「たしか『黒猫亭』という黒い猫の看板が特徴の宿じゃ。じゃが、貸し切りではなく『フェアリーガーデン』の選手と『ダルヤ・ジャミール』の選手、『フェンリル獣国』の選手たちと共同となるぞい。」

「……フェアリーガーデンにダルヤ・ジャミール、更にフェンリル獣国……?ルーナ、どんな国か知ってる?」

「……少しだけな。

『フェアリーガーデン』はエルフが人口の大半を占め、王が選挙と呼ばれる方法で決まる小さな公国で『精霊の花園』と呼ばれる精霊が可視化して見れるほど高密度の魔力地帯の中心にある。

『ダルヤ・ジャミール』は海洋国家で海にある幾つもの群島の連合国だったはずだ。後、年中常夏の暑い地域だったはず。……ここら辺は遠くて行かないからよくわからん。

『フェンリル獣国』は獣人が多くの人口を占め、その中で決闘場での闘いで覇者となった者が王に挑み、勝ったら新たな王となると言う実力主義の好戦的な国だ。

とまぁ、こんな感じか。」

「……うん、よく分からない。簡単に言って。」

「フェアリーガーデンはエルフの国、ダルヤ・ジャミールは海に囲まれた国、フェンリル獣国は獣人の国、ってところだな。」

「……分かった。その人たちと同じ宿になるの?」

「うむ。」

俺はエラに説明した後、背凭れに深く座り直し、うつ向いて考える。

フェアリーガーデンにダルヤ・ジャミール、更にフェンリル獣国。常に戦える環境のあるフェンリル獣国は勿論の事、海洋戦を得意とするダルヤ・ジャミールに魔法研究ではトップクラスのフェアリーガーデン。油断出来ない強者たちでひしめいていやがる。

簡単には勝てないとは予想していたが、今回は手の内を隠して戦っていられないかもしれないな。

「それと、剣魔祭前日にパーティが開かれる事となっておる。着き次第赤い看板の呉服屋で礼服を買うのじゃ。」

「はぁ……。」

ドリスは一枚の羊皮紙に推薦文とサイン、血印を押した後、俺に渡される。

ふむ、どうやら金は学園持ちらしい。これは助かるな。俺、今は金欠だし。

「それと、これは絶対条件じゃが、奴隷を連れていく事を禁じておる。剣魔祭に出るための条件はこれで最後じゃ。」

やっと説明が終わったよ……。

「それと、そろそろ食堂が開くだろうし、行くとよかろう。」

「……うん。ルーナ、行こう。」

「そうだ。リーダー、あんたは何を食べる予定?」

「そうだな、取りあえず肉料理を食べようかな。」

「あー、ボクはアツアツのピザが食べたいな。」

「一人じゃ食べれないし、私も一緒に食べてもよろしいでしょうか。」

「うん、いいよ!」

俺とエラとアルンは楽しそうに笑いながら歩き、後ろでエリカとジャスミンが手を握っている。

さーて、さっさと食べましょうか。


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