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再会する異端児

「……疲れた。」

「ははは……。でも、ルーナ君の授業、分かりやすかったよ。」

昼時、俺とケネスは食堂で昼食をとっていた。

俺の話を聞いてた先生が俺に教わりたいと言い出して、渋々ながら魔方陣の特性と構成を全員に教えていたら、次に使う上級生たちが来て俺の授業を聞いて教わりたいと言い出し、増えた人数にあわせて授業をしていたらいつの間にか昼時になっていたのだ。

因みに、他の授業に関しては魔法理論の先生が土下座をして謝っていたから俺らには何の問題はなかった。


「エラたち、遅いな。」

「あぁ、アビーさんたちは別の場所で食べるそうですよ?ルーナ君の奴隷のアースリアさんたちを連れていっていましたし。」

「ほえ~。」

そんなこんな、ケネスと食事をとっていたら三つの影がやって来た。

一つは豚のような醜悪な貴族。たしか、ヘイスティングズ……いや、ピッグマンか。一つは痩せ細った体に分厚い眼鏡をかけたザ・ガリ勉君。一つは小太りの穏やかそうな青年。

全員、制服を着ていることから見て貴族か。貴族と関わるとろくなことが起きないからな……。

「おい、ハーフ。そこをどけ。」

「そうだぞ、この大貴族の御曹子であるヘイスティングズ様に席を譲れ!」

「あー、うるさいぞガリ勉に豚野郎。飯食っている時ぐらい静かにしろ。」

「な、なんだと!?」

あ、つい本音が出てしまった。

ま、いっか。この程度で怒るのならその程度の人間だし、大体偉いのは自分の家であって自分は偉くもないだろ?

「この、ハーフ風情が!!」

「あーあ、ヘイスティングズ様を怒らせたな。ヘイスティングズ様は入試でもかなりの実力で入ったのだそ?貴様のようなハッタリで入ったハーフとは訳が違うのだ。」

ピッグマンは激情で顔を赤くし、ガリ勉はにやにやと気持ち悪い笑みを浮かべている。小太りは未だに穏やかな顔をしている。

……あー、めんどくさい。

「[炎よ、その槍を使い、我が敵を貫け!『ファイヤ・ランス』]!」

「[夜風・風殺陣]」

高密度に編まれた炎の槍が打ち出されたが、俺の風の帯に絡まり、そのままピッグマンごと拘束した。

ファイヤ・ランス、ねぇ……。ファイヤ・ジャベリングの上位互換だったか。

「ぐおおおおおおお!?」

「へ、ヘイスティングズ様!?」

炎ごと拘束されたピッグマンは逃げ場のない炎に焼かれていた。

「解除。」

「ヒュー、ヒュー……!」

黒い拘束を解除したら体の至るところが火傷の状態の豚が倒れてきた。

「き、貴様……!」

「お、やるのか?」

手をバキバキと鳴らしながらガリ勉に近づいていく。近づかなきゃ殴れないからな。


「お待ちなさい!!」


突如、食堂内を女性の声が響いた。

この声、確か……。

「……あぁ、なんだ生徒会長か。」

「あ、ルーナさん。それよりも、これは一体……。」

「かくかくしかじか……。」

「なるほど、そこに転がっているヘイスティングズさんが喧嘩を売ってきた、と。」

「まぁそうなるな。」

「通じてるの!?」

当たり前だろケネス。かくかくしかじかと言えば大抵のことが通じるのだからな。

「ルーナ君は少しやり過ぎですよ。それと、バゼット君たちはヘイスティングズさんを医務室に連れていきなさい。」

「は、はい!」

ガリ勉と小太りはヘイスティングズ(ピッグマン)を引きずりながらどこかに行ってしまった。

大事な大事なご主人様なのに引きずって行くのかよ……。まぁ、あの腹だからかなり重いのだろうな。

「あ、アネモ生徒会長。どうかしましたか?」

「いえ。少し問題がありまして……。」

「そうですか。……あれ、君……どこかで……?」

走ってきた女子が俺の顔を覗きこむ。

栗色の髪に尖った耳、両手に白い手袋を付け、更に質の良さそうなマントに最高級だろう木と魔力結晶を幾つも先端に付けた杖を持っている。

……九年ぶりか。

「久しぶりだな、エリカ。」

「まさか……ルーナ?」

「おう、そうだぜ。」

「ひっさしぶり!」

歓喜のあまり、エリカは俺に抱きついてきたから、その手を掴み一本背負いで地面と背中をぶつけさせる。

「いったあぁぁ……!いきなりボクになにするのさ!」

「すまん、びっくりした。」

「もう……。でも、本当に久しぶりだね、ルーナ!」

「……全くだ。」

エリカは俺の顔を見ながらニシシッと笑い、俺も釣られて笑ってしまう。

見た感じ、かなり充実していたようだな。

「え、エリカさんと知り合いでしたか?」

「ん~まぁな。」

「あ、ちょっと待ってね。他のメンバーにも伝えておくで。」

左手の白い手袋を外し、中から腕輪が出てきた。それにエリカは話しかけ始めた。

恐らく、誰かと連絡をとっているのだろうな。

「おーす!元気にしてたかリーダー!」

「久しぶりね、ルーナ!」

連絡してすぐ、窓ガラスを突き破り、外から灰色の髪をして魔物の骨を加工して作った鎧を身に纏ったヒューマンの青年と聖職者のような服の下に鎖帷子をつけたドワーフの少女が入ってきた。

おいおい、まさか……!

「アルンにジャスミンか……!」

「おう。久しぶりだな、リーダー」

「ええ、久しぶりですね、ルーナさん!」

久しぶりにあった二人はかなりの笑顔だった。

「あの……第二学年の中でも最高レベルの力を持った二人とも知り合いですか!?」

「あー……まぁ、説明するか。取りあえず座れよ。」

俺に促されて四人ともイスに座り、俺らとの関係を二人に説明し始めた。

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