第一の復讐
「……確か、ここですか。」
私は闇市場の一画にある酒場の前にたった。
破門され、もう枢機卿では無くなりましたが聖戦を引き起こす手立てはまだまだあります。その一つ。もし、教王が就任してすぐに劣等種族に殺されたのなら、世論は戦争の道に進むでしょう。
「………いらっしゃい。」
中は予想よりも閑散としており、マスターが一人、コップを洗っていた。これなら、私がここに訪れたことがバレる心配も無いでしょう。
聖戦をおこし、劣等種族を滅ぼし、創造主様の望んだ世界を実現する。それためなら何だってしましょうか。
「暁酒はありますか?」
「……それなら、三番の個室だ。」
私が秘密の暗号を言った瞬間、マスターは奥の個室を指差す。
暁酒は『暗殺』の暗号であります。さて、どんな御仁なのか、楽しみですね。
「……貴方は、依頼者ですか。」
「えぇ、そうです。」
個室の中にはメイド服を着た魔族の少女がいた。
ふむ、彼女は魔族ですし、もし教王を殺したのならこれ程反感を買える物はいないでしょう。
「では、依頼内容を説明しま
「……『カシオペヤの美貌』」
あ……れ……?体が動かない……?意識だけ……が……ある……のか?
「ルーナ様、用意が整いました。」
「……ああ。」
暗殺者の隣から銀髪の美しいオッドアイの青年が突如現れた。
ルーナ……?ルーナ、と、いえ、ば、あの、村で、オレ、ガノが、言っていた。名だっ、たはず……!
「貴様らには俺の大切なものを全て壊され、汚された。だから、全て壊させてもらう。」
その言葉を最後に、私の意識は暗転した。
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「ふう……。あっさりと予想通りの結末だったな。」
「……はい。」
トリスタンと首を切り落とした俺は血を払い、剣を鞘に収める。
トリスタンという外道のことだ。次に考えるのは教王の暗殺だということは今までの手口で予測できた。
そして、身元をバレずに暗殺者を雇う為に唯一個室のある斡旋場である黒蜜亭であることは予想可能だ。
そして、そこに体の動きを拘束できる魔法を使えるアースリアが魔法を使って拘束。締めに俺が首を切り落とす。
首を切り落としたのは簡単に言えば猟奇性を加えるためだ。首なし死体だけではすぐに片付けられる。首ありだと、猟奇性が足りない。
切り離された首というのはそれだけ猟奇性が宿るものだ。
「ふ、ふふふっ、まずは一人……!」
「喜ぶのはまだ早い。最後の仕上げがまだだ。」
「あ、はい!」
俺とアースリアは笑いながら作業を始める。
最後の仕上げ……『宣戦布告』のための準備である。




