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不幸な転生エルフ、復讐を誓う~怪物と呼ばれ異端の力を使い惨劇を~  作者: 月のウサギ
第一章 邂逅と第一の復讐
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交渉

「……よし。」

多くの生徒が寝静まった深夜、俺は荷物を確認し、塀を乗り越えて学園の外にでる。

学園に帰り、夕食の際にアースリアに今日のことを伝え、多くの奴らが寝始めた頃合いを見て動き始めれた。

因みにカリアは俺のベッドで寝ている。いくら体調が優れているとは言え栄養失調になっていた彼女のことだ。もう少し安静にしていたほうが良いだろうからな。

実際、彼女は清掃をやり終わった後は俺が部屋においておいた本を読むか寝るぐらいしかしてないしな。

「ま、取りあえずいきますか。」


=======

「……ええっと、この辺りか。」

俺は夜の街の酔っ払いどもにとある人物が泊まっている宿について聞き、この宿を探し当てれた。

ベロベロに酔っ払っていた奴でもこいつの居場所が分かっているとなると予想以上に知名度があるやつなのか。

「ま、そんなことはどうでもいいけど。[夜風・闇夜纏]」

俺は黒い風を纏い、跳躍をして二階の高さでキープする。

ふむ、目的の相手がいる場所の前には面倒なアルヴ教の私兵が二人ほどいるから前から行くのは無理そうだ。仕方ない、実力行使で入るか。

「む、何も

部屋の中に入り直ぐに気がついた男の懐の中に潜り込み、顎に拳をぶつけ、一撃で気絶させる。

「まずは一人。」

「貴様!!」

もう一人の男が剣を抜き、俺に斬撃を与えよう振りかぶった瞬間、一瞬で近づき前の男同様顎に一撃を入れて気絶させる。

「よし、これで入れるな。」

俺は男たちを壁の近くに退かし、部屋の中に入る。

中はベッド、簡単な机、イス、そして多くの本がおかれていた。全体の作りは質素だが使っている木材の品質などは最高級品だろう。

「……誰でしょうか。」

「用事があってきた、ただの怪物(モンストロ)さ。」

イスに座っていたのは人形を思わせるほどの感情のない顔をした美しい一人の女性聖職者だ。

彼女の名前はデルタ・ヨハネス。階級は枢機卿。つまりは今回の法王選の立候補者の一人だ。

清廉潔白を信条とし、慈悲と慈愛、そして清廉な信仰心だけで枢機卿にまで登り詰めた逸材で、世間ではトリスタンと並び新たな枢機卿となりうると言われている。

「モンストロ……ですか。それで、用事とは何でしょうか。」

「これを渡したかっのさ。」

俺は『アビス』の中から一つの水晶玉をとりだす。

「記録球ですか?」

「あぁ。」

記録球とは魔力を流すことでものを映像として記録でき、また再生することができる魔道具だ。

これこそが糞聖職者トリスタンを破滅させる究極のトリガーである。

「これにはどんな映像が入っているのですか?」

「とある候補を破滅させることができる、かな。」

「……!」

これには、トリスタンが収集してきた死体コレクション全てを録画した映像が入っている。

カリアを置いて教会に入った後、内側から正面のドアを開け、そこから入って死体コレクションまでの道を録画してあるから弁明の余地はない。この映像、編集できないのが痛いところだよな。

「受けとりませんよ。もし、受け取ったらその候補の人が確実に破滅するのでは法王選に支障をきたします。」

「いや、これは法王選に関係なく悪だから貴方に渡す物なのだが。」

「……そこまで言うのであれば見てから決めます。」


=======

「うッ……これは……酷い。」

映像を見始めて数分でデルタはあまりの醜悪さに吐き気を覚え、口を抑えながら映像を見ている。

実際、何回か中断してトイレに吐瀉物を吐き出しているから、そろそろ限界か。俺も見ていて気分を害するものだからな。

「……止めるぞ。」

「あぁ……。」

俺は記録球を操作して映像を止める。するとすぐさまデルタはトイレに駆け込んで再び吐いた。

「確かに、これは会ってはならない悪だ。私が最も憎む悪……無垢な人たちを自分の欲望の為に利用することだ。決して、これを行ったトリスタンを教王にしてはならない……!」

デルタは怒りの余り、感情が顔に全面的に現れている。

ここまで焚き付ける必要はなかったが……まぁ、結果オーライと言うことにしておこう。

「決心は決まったようだな。」

「……あぁ。この記録球は私が譲り受けよう。」

「分かった。では、俺はこれで。」

俺は身を翻し、そのまま立ち去っていった。


=======

「ふう……帰った帰った。」

宿を出た後、すぐ様学生寮に窓から忍び込む。

監督生……生徒会の奴らが夜間の校内の見回りをしているから見つからなかったのは運がよかったからとしか言い様がない。

「……二人ともきちんと寝ているな。」

俺はベッドの近くに立ち、二人の顔を見て少しほっとする。

二人とも幸せそうな顔をして眠っているんだ。ほっとしないほうがおかしいだろう。

「……おねえ……ちゃん。」

カリアが寝言を言っている。夢の中で姉のクリアとであっているのかな。

「だめ……どっか行かないで……置いてかぬいで……。」

少し目に涙を流しながらカリアは寝言を言う。

「……はぁ。」

俺はカリアの涙を拭き、ベッドにもたれかかって眠る。

俺としては部屋の端の方で寝たいのだが……カリアの奴が夢の中でも姉に置いていかれるなんて悲しい夢を見ているんだ。少しでも近くで寝たら何か変わるかも知れないからな。

……本当に仕方なく、だからな。

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