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不幸な転生エルフ、復讐を誓う~怪物と呼ばれ異端の力を使い惨劇を~  作者: 月のウサギ
第一章 邂逅と第一の復讐
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白い双翼は解放される

「……ここですね。」

私はとある宿の前に来て窓から中を覗きます。

宿は家具の全てが一級品の高級な代物ばかりで、豪華絢爛をそのまま出したような館内です。

前日、あのトリスタンが既にこの街に来ていることをルーナ様に言われ、私個人としてもトリスタンを苦しめたいのですが、致し方ありません。今回はこの役割をこなしましょうか。

宿は家具の全てが一級品の高級な代物ばかりで、豪華絢爛をそのまま出したような館内です。

「[王の権威をひれ伏せ、王の御前である、これは命令である。『王笏の威厳(キング・オーラ)』」

私が詠唱を完了した瞬間、宿の周りに結界が張られる。すると、私兵や宿の店員、客たちが次々に昏倒していく。

この魔法は『一定空間内の認識変更』という特性を持っている魔法です。これなら人払いの結界を作る必要もなく、さらに面倒な一般人を巻き込まなくてすみます。

「……この部屋でしょうか。」

宿の三階、大きな個室が一つだけあるフロアに登り、扉の前に立つ。

中で異常なまでに少ない生命の波動が聞こえますし、ここで間違いないでしょう。生命の波動とはルーナ様ちも伝えていない私のアビリティ……こっちでは『加護』です。

生命の波動を色覚として見ることができる極めて稀なアビリティの一つです。

この生命の波動とは相手の苦しみ、怒り、悲しみ、楽しみなどの感情が私たちに宿っている『魂』と呼ばれるものからでるものです。

因みに、ルーナ様の魂の色は黒と白。普通一つしかない色が二つもある人間はルーナ様以外に見たことがありません。

「……失礼します。」

扉をノックし、中に入る。

中は豪華で、まるで王城の応接室を思い出させるほどのきらびやかな装飾がされています。

「……だれ?」

「……貴方が、クリアさんですね?」

その部屋をみすぼらしい格好をした『エンジェル』の少女が一人で掃除をしている。

その少女は両目を包帯で巻きながらもしっかりとした足取りで此方に近づいてくる。

音に関係するアビリティでも持っているのでしょか?

「そうですが……『ドラゴニアス』が私のような奴隷の『エンジェル』に何の用でしょうか。」

「我が主からの命令です。貴方にはその首輪を外して来てもらいます。」

「……トリスタン様ではなく?」

「はい。カリアさんから貴女を助けてもらいたいという願いを我が主が聞き入れましたので。」

「……!それは本当!?」

ルーナ様に伝えられた情報を言うと驚きの声をクリアが上げる。

本来、あの糞トリスタンが地下に監禁していた筈の妹が既にこの街に来ていることに驚いて当然でしょうか。

「えぇ。それで、どうしますか?」

「……行きたいけど、この首輪を外す事が出来ません。」

再度尋ねると、悲しそうな声音で返答された。

この場合、物理的に壊してしまうことを出来ましょうが……面倒ですが、やりましょか。

「少し、動かないでもらえないでしょか。」

「?分かりましたが……。」

「ハァッ!」

アイテムボックスの中からギーン様が作られた断月剣(名前が無いので勝手につけた)を取り出し、首輪を切断する。

「……えっ?」

「首輪を斬りました。これでもう大丈夫ですよ?」

クリアは首輪が外れた音と首輪が外れてできた感覚に手を震えながら驚き、声を出さずに泣き始めた。

「ありがとう……ございます……!」

「そんな事より早く行きますよ。」

あ、あれを使っておかないといけませんね。

「[私を見れるのはあなただけ。貴方は私をみれるただ一人の者『六分儀の瞳(サクテント・アイ)』]」

魔法を使い、私とクリアは姿を消す。

この魔法、自分以外にも使えるのですよ。けど、対象の魔力を消費してしまいますが。

「[六分儀の瞳]ですか……!」

「飛びますよ!」

「はい!」

私とクリアは窓を開け、外に飛び立つ。



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