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不幸な転生エルフ、復讐を誓う~怪物と呼ばれ異端の力を使い惨劇を~  作者: 月のウサギ
第一章 邂逅と第一の復讐
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元騎士団長と闘気術

「はあっ!」

「ふん!」

始まりの瞬間、俺の剣とウォードの大剣がぶつかり合う。

相手も身体強化系の魔法、予想だが身体強化系の魔道具まで使っているな……!俺でも耐えるのは難しい……が!

「ぬおおっ!?」

「……隙が大きい。」

[闇夜纏]の強風に煽られ、体勢を崩し後ろに下がった瞬間、エラの両手に持ったナイフによる連撃がウォードの体に突き刺さる。

エラのナイフは手数はあるが、攻撃範囲が狭い。その為攻めあぐねる事が多い。実際、レティーナと戦った時には本領を発揮出来なかったしな。

逆に言えば、範囲の中に入ればエラから逃げるのは難しいのだ。

「ぐっ……!」

「せりゃあ!」

「おおおっ!」

エラの攻撃を耐えたウォードが剣を振り下ろすが、範囲から避けたエラの間に二人の青年が割り込み、二本の剣で受け止める。

「……受け止められたら……問題ない!」

「[夜風・常闇穿ち]」

エラは受け止める大剣に乗り、顔に回転蹴りを加え、その隙に威力を落とした黒い弾で剣を弾き飛ばす。

「「「「「今だ、ケネス!」」」」」

「こっちは全員終わってるよ!『放て!』」

ウォードに近づいていた俺たちが離れた瞬間、待機していた魔法の攻撃がウォードに直撃する。

待機とは俺の無詠唱と同じような特殊な技巧の一つだ。

魔法を放つ時、魔法名(俺の場合、イメージを具体化させるために使っている)の一つ前で詠唱を中断させることだ。

自分のタイミングで魔法を撃てる反面、詠唱を中断させているだけなので他の魔法を撃とうとすれば一から詠唱をやり直す羽目になる。

一応、直撃したが……まぁ、魔力的な反応から見てもまだ意識があるようだな。

「中々の連携たが……まだ甘い!」

「……!皆、避けて!」

「【闘気術・連風斬り】!」

突如、土煙が晴れ、俺らに向けて見えない斬撃が飛んできた。

俺の夜刀よりは遅い、だが魔法を撃つのは間に合わない!

「なら!」

俺は腰にぶら下げていた『アビス』から赤いの盾型の魔道具を取り出し、前に立てる。

俺が遺跡の中から見つけた魔道具、名前は『緋色の守護』。どんな物理的な攻撃を無効化する強力な盾だ。

ま、魔法攻撃には耐性がないから魔法には使えないけど、相手が【闘気術】なら問題ない!

【闘気術】とは、古代の国の一つが作り上げた技術のことだ。

全ての生命から流れ出る【気】と呼ばれるエネルギーを制御し、相手の次の攻撃を予測したり、背後からの攻撃を避けたり、攻撃力を上乗せしたり、攻撃を遠くに飛ばすことができるのだ。

この【気】を操る技術は俺も一部しか扱えない。[夜風・極宝穿ち]はその代表例だ。だから知識はある。

端的に言えば、【気】というエネルギーを使う【闘気術】は物理的な攻撃。つまり物理的な攻撃を無効化する『緋色の守護』でも防げるのだ。

「おい、大丈夫か!?」

「私は平気!」

「ウチも!」

「……問題ない。」

「僕も!」

辺りを見回し、残っているのはシルク、アビー、エラ、ケネスだけ、他の奴らは全員攻撃を防げず、血を流しながら倒れてた。

【闘気術】は基本的に相手を殺す技。その為、相手を生かしておくだけでも実力の高さが計れる。

「……避けたのは五人か。」

「闘気術の使い手。」

「なら、私たちも行くわよ!」

後ろからシルクとアビーが俺たちの横を通りすぎ、ウォードに斬撃を加えていく。

「【闘気術・弧刺し】」

「【闘気術・流転】」

「【闘気術・転剛】」

弧を描くような突きをシルクがいなし、その隙をアビーが回転しながら相手の腹に剣を打ち込む。

あの二人、闘気術の使い手だったのか……!恐らく、シルクが守りの闘気術、アビーが攻めの闘気術を使うのか。

「ぐぬぅぅ!【闘気術・反刻天】」

「……いい加減にして。」

反転したウォードの背中から突如としてエラが表れ、そのがら空きの背中に鎧の隙間を縫うようにナイフを突き刺す。

俺ですら分からないほどの気配の遮断。そしてこの隙を逃すほど、俺は甘くないぞ!

「ぐおっ!?い、いつの間に!?」

「……【闘気術・毒姫ノ封殺】」

「闘気術だと!?」

「……私は、自己流の闘気術を編み出した。それに……」

「[夜風・夜刀『演舞』]!」

「……もう貴方は負ける。」

ナイフを抜き、蹴り飛ばしたタイミングで俺の黒い風が乱れ、踊るかのような斬撃が鎧の上を走る。

鎧を斬らないようにセーブしてやっているけど、普通の当たるだけでもかなりの衝撃、これならどうだ!

「が……あ……。」

「そ、そこまで!君たちやり過ぎだよ!?」

レティーナが突然俺たちの戦いを中断させてきた。

……確かに、この有り様ならやり過ぎ判定出るよな。

「と、取りあえずルーナ君たちは倒れている人たちの傷を癒しておいて!」

そのまま、ウォードを連れてレティーナは校舎の方に行ってしまった。

ま、今は傷を癒しておくか。

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