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不幸な転生エルフ、復讐を誓う~怪物と呼ばれ異端の力を使い惨劇を~  作者: 月のウサギ
第一章 邂逅と第一の復讐
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暗殺者と狂う聖職者

「……いた。」

俺はなんとかエラの遠くない、近くない、そんな距離から、走ってきたから荒くなった呼吸を整えながらブラックマーケットの中を尾行する。

(……それにしても、一体誰がエラに依頼してきたんだ?)

予想できるのはアルヴ教の関係者だ。

アルヴ教のような大規模な集団では良くあることだが、組織の内部が一枚岩でないことが多い。その為、トップの座を取ろうと内部抗争が起きることも少なくない。

いや、アルヴ教は俺のような半端者(ハーフ)やヒューマン以外の種族をあまり好まない教義をしているから、反アルヴ教の組織による依頼かもしれない。

(考えが纏まらねぇ。こうなったらエラに直接聞いて……!?)

俺はいきなり振り向いてきたエラの視線から避けるように建物の影に隠れる。

あ、危なかった……!あと少し反応が遅れてたら気づかれてたぞ……!

「……気のせいか。」

前の方を向いたエラは再び歩き出した。

俺も尾行するか。


========

「……依頼通り、教王を暗殺してきたよ。」

ブラックマーケットの中でも奥の方にある路地裏でエラは黒ずくめの男に話しかけた。

あいつがエラに依頼してきた奴か……。気配の消しかた、存在感の濃さから考えて、裏側の人間の気質(かたぎ)ではないな。

となると、アルヴ教の関係者……それも、祓魔師や教団お抱えの暗殺者のような裏側の人間ではなく、司祭とか神父とかの表にでるような役職の人間か……。

「いやはや、見事なお手前ですね。こうもあっさりと暗殺できるものなのですね。」

「……基本、暗殺は夜に行われるものだし、まさか学園内で暗殺されるなんて予想できない。」

エラが男の問いを答えている間にクロスボウと毒矢を『アビス』から取り出し、装填する。

魔法を使っても良いけど……、教団の関係者なら対魔力の服を着ている可能性もある。それなら、物理的なダメージを与えれる物のほうが良いだろう。

「……それで、報酬は?」

「それは……これですよ!」

男はエラの手を掴み、左手に隠していたナイフを取り出す。

「……ルーナ(・・・)!」

俺の名前を呼んだ……?いや、今はどうでもいいか!

俺は物陰から飛び出し、クロスボウのトリガーを引き、矢が射出された。

「グヌゥ!?」

矢は一直線に男の左手に突き刺さり、痛みのあまり、男はナイフを落とす。

「……シッ!」

その隙にエラが男の手を引っ張り、態勢を崩した男の顔に背中に隠していたナイフで引き裂く。

「ぎぁぎょ!?」

「……終わり。」

倒れこみ気持ち悪い声を上げる男に近づき、エラはナイフで頭と胴体を切り離す。

……あのナイフ、骨すら切り裂くとかどんな切れ味をしているんだよ。

「……ルーナ、尾行していたの?」

「まあな。……いつから気づいてた?」

「……達成の報告をしているとき。予想以上に尾行が上手かったからびっくりした。」

いや、そんな無表情な顔で言われても信用でき……あぁ、こいつは元から顔に感情が出ないタイプの奴だったな、昔から。

「……それで、何で尾行してたの?」

「あのなぁ……、俺は一応お前が暗殺の依頼をしていることも知ってるんだし、元教王が説法していた講堂から出てきたのも見てたんだぞ?心配だったから尾行してきたんだよ。」

「……お人好し。」

「まぁ、それは俺も認めてるし……これを見れば誰が依頼したのか分かる。」

俺は男の死体から円の中に十字架が架けられたネックレスを剥ぎ取る。

この紋様はアルヴ教の象徴で円は満月、十字架は戒律を意味しているらしい。

「取りあえず戻るぞ。」

「……わかった。」

俺とエラはそのまま歩いてその場から離れて行った。


=======

「……報告が遅いですね……。」

暗い部屋の中、美しくも禍々しい美丈夫がワインボトルを片手持ち、もう片手でワインを飲む。

私の優秀な部下からの報告がまだですね……。教王の暗殺の報告は受けましたが、やはり暗殺者に始末されたと考えたほうが良いでしょう。

「ーーーー!」

「行き先は、ブリンガルですか……。」

私は機械にくくりつけられ、男たちにむち打ちをされて声にならない悲鳴を上げる獣人の少女を見ながらワインを飲む。

このワインは最高にいいし、年端のいかない少年少女を見ながら飲むのも甘美なものだ。

「ですが、飽きてきました。殺しなさい(・・・・・)。」

男たちに命令した瞬間、男たちは少女の首を掴み、骨をへし折る。

後で私が部屋に持っていきましょうか。穢れた劣等種族でも、コレクション(・・・・・・)にする位の価値はありますし。


「トリスタン様、今日のお品ものです。」


扉をノックし、今日の夕食を白い髪のエンジェルが持ってくる。

「ありがとう。そこに置いておきなさい。……後でいつもの場所にくるように。そうすれば妹には手を出しませんので。」

「……はい。」

そのまま『エンジェル』は外に出ていきました。

「くふ、くふふふふふふ。」

あぁ、あと少しで絶対的な地位が確立できる……!そうすれば穢れたエルフもドワーフも獣人も、何もかもを戒めることができる……!私の悲願の達成まであと少し……!



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