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不幸な転生エルフ、復讐を誓う~怪物と呼ばれ異端の力を使い惨劇を~  作者: 月のウサギ
第一章 邂逅と第一の復讐
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入学試験 sideアースリア part2

「ふう、次の試験は……魔法と体術でしたね。」

「ええ、そう言えばあなたの武器や防具は?」

「ここに。」

私は腰に掛けていたアイテムボックスから防具と剣を取り出し、着替えはじめる。それを見たディアナさんも自前のアイテムボックスから必要な物を取り出して着替えはじめます。

校庭にきた私達はまず、防具や武器を取りに行くところから始まりました。奴隷用の更衣室なんてあるわけないため着替えるのは物陰になりますけど。


「ふう、着替え終わりましたか?」

「ええ、そちらもですよね?」

「ええ。」

ディアナさんは燕尾服に刺突剣という剣士というよりも剣士風の貴族と言ったところでしょうか。なんと言いますか、ディアナは身長と体格が良いため女性と言うよりも美少年と言った方が良い方ですね。

「ぐぬぬ……。」

「どうかされましたか?」

「い、いえ、何も……。」

ディアナさんは何故が唸ってますがまあ良いでしょう。さっさと試験会場に戻らないと。


===========

魔法と体術の試験は模擬戦の形式で行われます。まあ、シンプルに単純、かつ実践的な方法と言えるでしょう。

「さて、誰とやりましょうか。」

ディアナさんは足運びがとても上手く、かつ剣を持っていることから剣術をやっているでしょう。私の戦い方は魔族の魔法の一つ付与魔法(エンチャント)を使う接近戦とこちらで学んだ火の属性魔法だけ。剣術も実戦レベルには使えますが恐らく剣術ではディアナさんには勝てません。正直、戦いにくい相手です。


「そこのドラゴニアスの人、ウチと戦ってくれない?」

突然、後ろから話しかけて振り替えると黒色の髪で、尻尾みたいな髪型の私と同じか、少し高い『鬼』の少女が話しかけて来ました。

鬼族とは魔法が殆ど使えない代わりに高い身体能力が特徴の種族での魔族の序列では六位程度でしたか。

序列とは第八位『マーメイド』第七位『ゴースト』第六位『鬼』第五位『ドライアド』第四位『ヴァンパイア』第三位『ドラゴニアス』第二位『ケンタウロス』第一位『エンジェル』と言う魔族の実力を表すランキングのことです。ただ、第七位のゴーストは第一位のエンジェルに強く、第八位のマーメイドは第四位のヴァンパイアに強いと言ったように、種族によって相性のようなものがあります。

ちなみに、ドラゴニアスはヴァンパイアに弱いです。なにせ、私達よりも闇夜に紛れ込むのが得意で、なおかつ狡猾な戦い方を好む種族ですから、力押しを好む鬼やドラゴニアスは手も足も出ません。

では、鬼とドラゴニアスの相性はどうなのかというと良くもなく悪くもないと言ったところです。

「……貴方は?」

「あ、ウチはツバキ・ヤマト。アビー様の奴隷だよ、貴方は?」

「私はアースリア・リーン。ルーナ様の奴隷です。」

ヤマト……確か鬼の国と聞いてますが国名と同じ名字となると、この人は恐らくその国の姫でしょうか。

「あ、今クレアちゃんが戦っているからアースリアちゃんも一緒に見よ!」

「え、ええ。良いですよ。」

かなり快活な人ですね、ツバキさん。私のように花よ蝶よと育てられたわけではなく、遊びながらもきちんとした教養を受けた人のようですね。

「はあ!」

「はい!」

戦う会場でレイピアと直剣を煌めかせて戦っているのはディアナさんと先ほど言っていたクレアと言う曲がった角の生えたゴーストですね。

「やはり、デビルは強いですね……。」

「貴方もなかなかのものですね……。」

デビル?あぁ、ゴーストの人間側の呼び方でしたか。

「これで最後にしてやる……!『風の精霊よ、時の狭間、空の狭間、悠久の大地を駆けぬける風を我が身に宿せ!ドラゴン・ノヴァ!』」

「良いでしょう、ならこちらも!『罪なきもの、罪ありしもの、二つを束ねる天秤よ、最後の審判、その判決を罪人に与えよ『天秤の審判(リブラ・ジャッジ)』!」

凄まじい勢いを持つ風の咆哮と白と黒の光を纏った剣がぶつかり、風を切断した(・・・・)。」

「なっ!?」

「はああああああああ!」

「ぐふぉっ!」

ディアナさんが驚いている隙をついてクレアさんは目にも止まらぬで近づき、剣の腹でディアナさんの腹を打つ。

「勝者、クレア!」

「やったあああああああ!」

うわっ、凄い声!

「それじゃあ行きますか、アースリアちゃん。」

「ええ、負けませんよツバキ。」


========

私とツバキは向かい合い、互いに身の丈以上の大きさを持つ得物を構える。あぁ、この感じはやはり良いですね、つい口角が上がってしまいます。

「始め!」

「はあああああああああああああああ!」

「うおおおおおおおおおおおおおおお!」

私とツバキはどちらも普通の人では目で捉える事が出来ない速度で動き、互いの得物をぶつけ合い、辺りに衝撃を撒き散らす。

くっ、重い!


「はああ!」

「うおお!『バンカーハウル』!」

鍔迫り合いをしているなか、ツバキが口から声の衝撃を放つ予備動作を見て、空中に飛行する。

鬼は魔法が一切使えない代わりに特殊な技や妖術と呼ばれる魔法のような物を使うから油断できません……!

「せりゃあああああああ!」

私は空中で向きを変え、地面に向けて高速で駆け落ちる。

「ふんっ!」

その攻撃をツバキは大剣で簡単に受け止める。

流石、地上での戦いにおいてケンタウロスに並ぶ実力、力ではやはりかないませんか……なら!


「『大河に流れる魚たち、水の音律、水の調に合わせ、食らい尽くせ!『魚の飽食(ピスケス・サタイアー)』!」

私の手に魔方陣が生まれ、そこから数多くの青一色の魚たちがツバキに向かって空中を泳ぎ始める。

「くそっ、なら『火遁 火蜥蜴(かとん ひとかげ)!」

ツバキは札を取り出すとそれを地面に張り付け、そこから火でできた蜥蜴が数多く生み出され魚たちを食らっていく。

それは予想通りです!

「『獅子の魂よ、我が身に力を与えよ。その脚は風を置いてき、その牙は全てを壊す、その力を貸し与えよ!『獅子の威光レオーネ・マジャスティー』!」

私の体に魔方陣が生まれ、体から赤い光が溢れる。私がしたかったのはこの魔法の詠唱!ツバキさんにはどう考えても力負けしてしまいますからこの付与魔法最高の強化でないと勝てない。ただ、この魔法は少々詠唱が長いからその時間をピスケスで稼いだのです!

「まずっ!『かと

「言わせるつもりはありません!」

私の魔法に気づいたツバキさんはこっちに火遁の妖術を使おうとしてきてますけどもう遅いです!「はあああああああああああああああああああああ!」

私の剣の刃がツバキの体に煌めき、その体から赤い液体を流す。

「ぐぁっ!?」

「勝者、アースリア!」

審査員が勝者コールをしたので帰れ……ませんよね。ここで血を流すツバキさんを放っておくのも何かイヤですね、回復させましょうか。

「『陽気な音色、辺りには酒と豊富なご飯、さあ、こんな傷は無くして楽しもう。『牡羊の晩餐(アリエス・ディナー)』」

ツバキの傷口に暖かい光が灯り、みるみるうちに傷を癒していく。


「お疲れ、アースリア。」

「ええ、そちらは負けてしまいましたね。」

あの場所から出た私をディアナは労い、私もディアナを労う。

でも、殆どの人が初見である魔族の戦術にあそこまで対応できるのは中々凄いことですが……まぁ、私と戦っていたら私は負けていたでしょう。

「私はルーナ様が待っていると思われるので先に行かせて貰います。」

「いいよー。」

あ、なら早めに帰らせてもらいましょうか。

「あ、そう言えばアースリアにとってルーナ様とは一体どんな方ですか?」

はぁ、そんなの決まっているでしょ?


「私の、最高のパートナーです。」

そして、最高の共犯者です。


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