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不幸な転生エルフ、復讐を誓う~怪物と呼ばれ異端の力を使い惨劇を~  作者: 月のウサギ
第一章 邂逅と第一の復讐
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買い出し 二件目

「二件目はここだな。」

「ここは……ギルド?」

店をでた俺とアースリアはギルドに向かった。


「一体、何故……?」

「いや、冒険者登録しとかないと依頼が受けれないし、身分証明書にもなる。そういった意味ではここも重要だ。」

アースリアが首をかしげていると俺が来た理由を手短に伝えた。

ギルドが発行する冒険者カードは自身の名前やギルドでのランクが書かれており、貴族証と呼ばれる貴族限定の身分証明書の変わりとなるため一般の人でも使えるのだ。

ちなみに発行手数料は銅貨五枚である。


「さて、入るか。」

「わ、分かりました…。」

俺とアースリアはドアを開けてギルドの建物の中に入っていった。


========

ギルドの中は依頼書を取りに来た者、朝から中にある酒場で酒を飲み、賭博を行う者、依頼書を出しに来た者で溢れ返っていた。


「い、いつもこんな感じなのですか………?」

「……まあな。」

この状況に若干引いたアースリアに同意するように俺もこの状況に若干呆れていた。

(いつもながらうるさい……。それにこう言う時ほど『テンプレ』が起きやすいからなぁー。)

『テンプレ』とは様々な小説であるアホみたいな状況のことだ。

例えば、こんな状況のギルドで冒険者登録しようものなら馬鹿丸出しの低級冒険者が登録を妨害し、いざこざが起きる、などの事である。

(でもまあ、しかたないか……。)


「じゃあ、行くぞ。」

「分かりました……。」

テンプレの回避を諦めた俺が空いている受付のところに歩いていき、アースリアがその後を追う。

この二人の状況を見たこの都市を拠点とする冒険者は目を疑って二度見してしまった。それほどまでにルーナの異名と悪行は広まっているのだ。


「あ、ルーナさん!」

「……ラルか。」

空いていた受付に移動した俺とアースリアを、待っていたのはいつもの受付嬢のラルだった。

「今日はどうしたのですか?」

「あぁ、今日は昨日買った奴隷のアースリアの冒険者登録をしようかと思ってな。」

「あ、アースリアと言います。」

カウンターに紙を置き、左手にペンを持ったラルの質問に俺は笑顔で答え、アースリアは貴族風のお辞儀をした。


「それじゃあ、ここに名前、年齢、種族、特技、適正魔法を書いてください。」

急に仏頂面になったラルから渡された紙とペンでアースリアは自身のデータを書き込んでいく。

数分後、全てのデータを書き終えて紙とペンをラルに返した。

「えーと、アースリア・リーン、16歳、種族は竜の魔族(ドラゴニアス)、特技は家事全般、適正魔法は火……。はい、登録しました。では、銅貨五枚をもらいます。」

「ほらよっと。じゃあ俺らは帰るで。」

アイテムボックスから銅貨五枚を支払い、Fと書かれたカードをアースリアに渡して去ろうとした。


が、


「おいおい嬢ちゃん、あんた魔族だろ?」


粗野な格好をした冒険者の男がアースリアに話しかけて来た。

(酒臭い……、こりゃあかなり飲んでるな……。)

冒険者の男の周りからは酒の匂いがただよっており、その匂いを嗅いだ俺は顔をしかめた。


「………そうですが、何か?」

「それなら話しは早い、どうだ?そんな貧相の主じゃなくて俺に仕えないか?」

さっきまでの穏やかな笑みを顔から落とし、無表情となったアースリアの変化に気づかない冒険者の男はそのままべらべらと自分の武勇伝をアースリアに話した。

「(おい、あいつ、馬鹿だろ!?)」

「(あんな怖いもの知らず初めて見た……。あの皆殺しの鎌鼬の身内に手をだすなんて自殺志願者かよ……。)」

ルーナの実力と性格を知る冒険者は心の中で哀れな男の冥福を祈った。


「俺を気にいったか?」

「………いえ、全く。」

「…………、さっさと来いっていってるんだよ!」

アースリアの淡白な答えに怒りを覚えた男はアースリアに殴りかかってきた。

「…せいっ!」

「いたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた!?」

気抜けた声とは裏腹に高速で近づき、男の足に自分の足を引っかけ男の体勢を崩して男を投げて、頭を床に叩きつけられた瞬間に男のマウントを取り、関節を極めた。

これには耐えきれなかった男は顔から涙と鼻水を出しながら汚い悲鳴を上げた。


「全く……私が主であるルーナ様を裏切るとでも思ったのですか?あなたのような愚鈍で脆弱な生物は大嫌いです。それに私に殴りかかって来ましたね?私を倒せると思われたのは非常に不愉快です。」

「ひぎっ、ひぎいいいいいいいいいいいい!!」

「おい、もうやめろ。」

「は、はい!」

男の汚い悲鳴に嫌気がさした俺がアースリアを止め、すぐにアースリアは男の手を離した。


「ほれほれ。」

「な、何ですかいきなり!?」

「いや、俺をそこまで信用してもらえて嬉しかったからお礼にと。」

そして、俺はアースリアの頭を撫で、それに驚いたアースリアは顔が赤くなり


「……………………………………きゅう。」

一目でオーバーだろという勢いで鼻血を出して気絶した。


「おい、アースリア、大丈夫か!?」

「「「「「「「お前が原因だろうが!!」」」」」」

それを見たルーナが驚きの声を上げて近づいた瞬間、ギルド内の全員がルーナの行動に盛大なツッコミを入れたのだった。

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