表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/239

閑話父親の記憶 後編

「うーん………?」

俺は悩ましい顔をしながら本に食いついていた。

オレガノから本をもらった次の日、俺は本を読もうとしたもののある一つの問題が発生したのだ。


(文字が読めない!!)


俺は僅か三歳にしてエルフとヒューマンの言葉を理解する事ができるため、一応ながらヒューマンの言語とエルフの言語を理解できる。

しかし、この本に書かれている言葉はそのどちらにも属さない言語だったのだ。

その本に書かれているのはまるで絵のような文字だった。

初めて英語の授業を受ける小学生に大学の講義レベルの英語は理解出来ないのと同じように、俺は知らない言語を読むことができなかったのだ。


「パパ~。」

「なんだいルーナ。」

「この本に書かれている言葉、ヒューマンのでもエルフのでもないからわからない~。」

今日は雨のため家にいたオレガノに俺は質問した。本が読めなければ読み方を知っている人に聞けばいいからだ。


「ふむふむ、この本に書かれている言葉がヒューマンやエルフの言葉じゃないからわからない……ん?つまりこの二つの言葉は理解出来るのかい?」

「うん!だってママがパパとは違うお話しをするとき僕たちが話している言葉とは違うし、パパが持っている本のおかげでヒューマンの言葉とエルフの言葉を覚えれたから。」

「な…!?」

オレガノが俺の言葉を噛み砕いて理解して、そこから出た疑問点を俺に質問し、俺がその質問に対して予想の遥か上の回答で返し、その回答にオレガノは口を大きく開けて絶句した。


「ほ、本当に理解出来るのかい?」

「うん!」

「……なら、話すか。この本は古代の王朝の本なんだ。通称『龍の書』、強大な魔法の詠唱(スペル)、魔方陣が書かれている本なんだ。」

「…は?」

オレガノが語った言葉が俺の予想を大きく超えたため今度はルーナが口を開けて絶句した。だか、ルーナ()が絶句したのはオレガノが絶句したのとは理由が違った。

(いや、そんなにヤバいのを何で国が管理してないんだよ!?)

ルーナが絶句したのは余りにも危険な物の管理が雑過ぎるところだった。


(仕方ない、解読するか…。)

「この本は一応、解読はされているのだけど……解読された文章は余りにも支離滅裂過ぎて無意味な物なんだ。」

(う~ん、多分この世界の言葉で考えちゃいけないんだと思う。だってこの本の作者、何処をどう見てもエルフやヒューマンたちの文法と逸脱しすぎている。)

「その……、そんな本をあげてすまない…。」

(でも、前世の言葉でもこんな言葉はなかった……。)

「今度、買ってくるから許してくれ……。」

(読めない理由に考えれるのは作者しか読めないか特定の人物、または|条件が揃っている者のみか。《・・・・・・・・・・・》そして、この世界には魔法がある……まさか!?)

オレガノが弁明している中俺はこの本の解読方法について考えていた。

そして、とある仮説を立てた。


(魔力を……この本に流す!)


俺が立てた仮説とはこの本は『何かしらの魔法によって封印されている』というものだ。

言語とは単語を文法どうりに並べて使う物だ。つまり、パターンがある。

だが、この本の文章には何もそのパターンが無い。

その為、この本には何かしらの魔法がかけられているとルーナは考察したのだ。

そして、魔法を解除するにはとてつもない量の魔力の流し込むことが最も単純な方法である。


「うわっ!?」

「えっ!?」

ルーナが魔力を流し初めて数秒後、突如として本から光がでて、鎖が引きちぎられるような音とともに光が収まった。


「な、なんだった今の……。」

「さ、さあ…。」

余りに突然の事態にルーナとオレガノは本を見たまま呆然としていた。そして、ルーナは本の中を見た。


「本の内容は……。この文章は……日本語?(・・・・)

本には魔法についての初期知識が書かれていたがそれ以上に気になるのはこの本に書かれている言語が日本語であることだ。

ヒューマンの言語もエルフの言語もこの世界の言葉であって、決して日本語ではない。

その為、日本語で書かれたこの本は異常なのだ。


「ど、どうなったんだい?」

「やっぱり読めない…。」

「そ、そうか……。」

「でも、もらう!」

「いいよ。」

「やったー!」

(これで新しい魔法が使える!)

ルーナの心の中では小さなルーナが跳び跳ねており、ルーナ自身も顔が嬉しさに堪えきれずににやけていた。

そう、この本は元の世界の人間しかわからない。逆に言えばルーナは読めて他の人間は読めないという最高の魔導書なのだ。

こうして、ルーナはこの本を読むことが出来るようになったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ