第2話 膨大な魔力でステータス水晶を爆破したけど、面倒なのでFランクでいいです
大商人の馬車で中堅都市リビルへ。ノーパスで門をくぐり、冒険者ギルドの重い扉を押し開けた。
酒と汗の臭い。ガヤガヤとした空気。
一歩足を踏み入れた瞬間、荒くれ者たちの視線が突き刺さる。――こんな優男が、冒険者に?
視線を軽く受け流し、受付へ歩み寄った。
「冒険者の登録をお願いします」
「え、あなたが? 結構大変な仕事よ? 大丈夫?」
受付嬢が心配そうに覗き込んでくる。
「自分の責任は自分で取ります」
「……わかりました。こちらに手を置いてください」
カウンターのステータス測定用水晶。手をかざした、刹那。
パキパキと不穏な音が響く。
「えっ?」
ギルドの外まで光が漏れた。凄まじい爆音。水晶が粉々に爆散する。
「ひゃああああっ!?」
椅子から転げ落ちる受付嬢。静まり返るギルド。荒くれ者たちも完全に硬直している。
結局、「水晶が古かった」と処理され、一番下のFランクスタートとなった。
ついでに、あの魔石をカウンターにコト、と置く。
ギルドの空気が再び凍りついた。
「ちょ、ちょっと待ってください……! これ、厄災級の……っ!?」
顔を真っ青にした受付嬢に連れられ、ギルドマスター室へ。強面のギルドマスターが汗を流して怯える。
「君の実力なら、特例で今すぐSランクでもいいんだが……!」
「いや、Fでいいっす。面倒くさいんで」
「F!? バカ言え、Fランクの意味がなくなるだろうが!!」
頭を抱えるギルドマスターを置き去りにロビーへ戻ると、奥でトラブルが起きていた。
紫髪のポニテに蛍石の瞳の美少女と、金髪ツインテに碧眼の美少女。二人が粗暴な男たちに囲まれている。
「Aランク様だからって、女だてらに調子に乗ってんじゃねえぞ!」
「なによ! 因縁つけてきたのはそっちでしょ!」
周囲は見て見ぬふりだ。
「ちょっと、待てよ。女の子にひどいこと言わない方がいい」
のんびりと間に割り込む。男たちの血管が怒りで跳ね上がった。
「しゃしゃり出るな、モヤシ野郎がァ!」
容赦なく首筋へ殺到する刃。悲鳴。
「おっと」
紙一重で身体をかわす。
男たちは勢い余って背後の石壁へ猛スピードで激突した。
――ズドォォン!
壁にヒビが入り、男たちが白目を剥いて崩れ落ちる。
あまりの瞬殺劇に、二人はポカンと口を開けたまま硬直している。
「大丈夫?」
「え、あ、はい! 助かりました……! 私、チトセと言います」
「べ、別に、あんたなんかになびいたわけじゃないんだからね! 私はヒヨリよ!」
「へぇ、俺、健二。よろしく」
圧倒的な強さと、気のない態度。二人の瞳に熱が灯る。
「健二くん、怪我はない!? どこか痛むところは……!」
チトセが赤面し、右腕をぎゅっと抱きしめてくる。柔らかな感触。
「ちょっとチトセ、抜け駆けはずるいわよ! 健二は私の命の恩人なんだからね!」
ヒヨリも負けじと左腕に抱きつき、顔を紅潮させてツンツンとマウントを取ってくる。
「やれやれ、異世界ってやつは忙しいな」
俺の無双ハーレム生活は、あまりにも順調すぎるスタートを切った。
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初日から見に来てくれてアザス!!(≧▽≦)
いきなり測定水晶を粉々にしちゃった健二くんですが、本人はFランクで満足してるみたいです(笑)。
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