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6 三つ巴

「発見された遺体は、ランドルフ、ハリエット、ルイスの3人。

いずれも死因は銃弾による外傷とそれに伴う激しい出血です。」


フロックコートにモノクル姿の壮年の男、レストレード警部はカメリアと私にそう報告した。


レストレード警部は、以前カメリアが関わったいくつかの事件を担当した刑事である。

カメリアを信頼している彼は、カメリアがベンヤミンから依頼を受けていると知ると、カメリアに捜査協力を求めた。


「事件現場は教会の裏庭。

ランドルフは右胸、ハリエットは額、ルイスは右肩に銃弾が撃ち込まれています。」


厳かな静寂に包まれていた教会の庭は、痛ましい事件の現場へと変貌してしまったのだ。


「これまでの調べでわかっている被害者の行動をお伝えします。」


レストレード警部は手帳を開き、読み上げる。

私は聞き漏らさないように耳を傾けた。


「今日の明け方、ハリエットは人目を盗んで自宅を出て、教会に向かいました。

ハリエットの侍女は、『逃亡中のランドルフに会いにいくから誰にも言わないで。』と口止めされたそうです。

ほぼ同時刻、ルイスもまた教会に向かうため自宅を出ました。

ルイスはハリエットの後をつけていたと2人を目撃した農夫が証言しています。」


カメリアは、「ランドルフは、この教会近くに潜伏していたのですか。」と聞く。


「状況から見るとそう考えてよろしいでしょう。

しかし潜伏中のランドルフを目撃したものはまだ見つかっていないため、調査中です。」


逃亡中の恋人に会いにきたハリエット。

彼女を追ってきた婚約者ルイス。

身を潜めていたランドルフ。

彼らは明け方の教会で鉢合わせた。


「ランドルフとルイスが揉めた末にルイスが撃たれ、ランドルフとハリエットが心中を測ったのでしょうか。」


私が考えを口にすると、レストレード警部は「我々も最初はそのように考えたのですが、どうもそうではないようです。」と言う。


「現場には、二丁の同一の型の銃が残されていました。」


ひとつはルイスの遺体のそばに、そしてもうひとつの銃はハリエットの遺体の手にあったという。

警察は銃に残された弾丸の数から、それぞれ何発撃たれたのかを調べた。


「撃たれたのは、ルイスの銃から2発、ハリエットの銃から1発です。」


ルイスは2発撃った。

ハリエットは1発撃った。

計3発の銃弾が撃たれた。


では、ランドルフとハリエットは2人ともルイスに殺されたか。

否、それではハリエットがルイスを撃てない。


カメリアは、「現場に残されていた銃は、3人を撃ったもので間違いありませんの。」と問う。


「遺体の傷や弾丸の大きさと現場に残された銃の口径は一致しています。

二丁の銃はこの教会で保管されていたものです。」


銃弾はどのような順番で撃たれたのか。

最初に殺されたのは、誰なのだろうか。

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