第4話 vsデシェニ・リェールヴ
山に入ってから、2日が経とうとしていた。
すでにターゲットとなるデシェニ・リェールヴは発見しているが、戦いを挑むことは決してなかった。あくまで行動を観察しているのである。
「……そろそろいいか」
ルッツはそうつぶやいた。この2日間で、獲物の行動範囲やパターンが大体つかめたからである。
「じゃあ、戦うの?」
だが、ペトラの言葉に、ルッツは首を横に振った。
「いや、絶対に戦わない。罠を張って捕獲する。この2日間で得られたデータをフル活用して、アスカに効果的な場所をいくつかピックアックしてもらった。そこに罠を張りに行くぞ」
今回ルッツが用意したのは、『箱罠』と呼ばれる、箱状の網の様な罠だ。この中にエサを置き、その餌につられて獲物が入ると仕掛けが作動し、網の中に閉じ込めてしまうのだ。
もちろん、相手は人並みの大きさがある魔獣であるため、罠の大きさもそれなりの物となっている。アスカに頼んで、特別に作ってもらったのだ。しかも多少は持ち運びがしやすいように折りたたみ式になっている。
この箱罠を、アスカがピックアップした5か所に設置して回った。
◇◆◇◆◇◆
翌日、ルッツ達は罠を回収がてら、獲物がかかっているかを見に行った。
すると、3個目の罠の中に、網から必死に逃げようと暴れまくっているデシェニ・リェールヴを確認できた。
ルッツは吹き矢を使ってデシェニ・リェールヴを眠らせると、ペトラと二人がかりで持ち上げ、運んだ。
もちろん、残り2つの罠を回収した後、山を下りた。
そして、その姿を遠目で見ている人影がいた――。




