第3話 クールー・シュペリアー
エノーム・サングリエを狩った次の日、ルッツとペトラは、北のムンターニュへ向けて出発した。もちろん徒歩でだ。
数日後、ムンターニュのど真ん中にある街、『クールー・シュペリアー』にたどり着いた。
この街は、ムンターニュの中にある街だけに、山がちであり、交通の便は非常に悪い。しかし、ポート・ド・クーメースへの通り道である事、グーベルク王国につながるエラウ河の源流がある事から、ルレアラス王国の貿易流通路として非常に重要である。そのため、山の中の田舎町とはならずに、かなり発展した街になっている。
ルッツ達は、クールー・シュペリアーに来て早々、ギルドへ向かい、クエストをあっせんしてもらった。
その中でルッツは、あるクエストに注目した。『デシェニ・リェールヴ』の討伐であった。
デシェニ・リェールヴとは、ウサギ型の大型魔獣だ。脚力がハンパではない程強く、まともに蹴られれば簡単に命を落としてしまう。
しかも雑食で、人間を食べる他に農作物も食い荒らす。二重の意味で嫌われている魔獣だ。
その魔獣の事で、ルッツは質問した。
「この魔獣の詳しい生態に関する資料はありますか?」
ルッツの要求に、受付係は快く答えた。だが、ルッツが欲していた情報はなかった。地番欲しいのは、ターゲットの行動範囲、習性、行動パターンなのだが、どれも一般的に信じられている学説や目撃証言等を組み合わせた、いわゆる予測にすぎず、ルッツは不満を覚えた。
だが、まだいくらでもやりようはあると思ったルッツは、ペトラと相談した。
「ペトラ。おそらくこのクエスト、3日ほど山にこもれば、達成できると思う。それでもいいか?」
「何か作戦があるんでしょ? だったら、あたしはそれを全面的に信用するわ」
ペトラは、あっけなく快諾した。
これにより、ルッツ達はこのクエストを受ける事になったのである。




