第2話 罠猟
「ターゲットを発見した」
ルッツ達は、今回のクエストのターゲットであるエノーム・サングリエを探しに、山へ入った。
探す事3時間余り、ようやく獲物を見つけた。普通のイノシシよりも巨大で、簡単に人を貫ける、鋭利で長くて太い牙をもつそれは、間違いなくエノーム・サングリエそのものだった。
「了解。仕掛けるわよ」
ルッツの報告に合わせ、ペトラが動く。光の玉を投げつけたのだ。
光の玉は、エノーム・サングリエの目の前に近付くと、強烈な光を放って破裂した。しかし、玉の破裂そのものにダメージはない。それどころか、獲物を刺激して興奮させる結果となってしまった。
だが、それこそがルッツの狙いだった。
「こっちに向かって入って来るな。全力で逃げろ!」
「OK!」
ルッツとペトラは、ある地点へ逃げた。その位置は、たとえ人の足に比べてはるかに速く走れるエノーム・サングリエであっても、確実にルッツ達の方が早く到着する位置に仕掛けられた物だった。
「今だ、かがめ!」
ルッツの指示で、二人は身をかがめながら、その地点を通り抜けた。一泊して、エノーム・サングリエも到着する。
だがその時、エノーム・サングリエの身体が、上下真っ二つに切れたのだ。
いったい何が起こったか。実は、ルッツはあらかじめ、丈夫なワイヤーを張っておいたのだ。
エノーム・サングリエは、そのワイヤーに気付くことなく、身体が切れてしまったのだ。
そもそも、ルッツ達はこんな罠を張る必要はないのだが、ここはルッツ達の力を欲するルレアラス王国。銃器を扱うと、どこかで目を光らせている政府の人間から、自分達の存在を気付かれてしまう恐れがあるのだ。
だから、何とかこの世界の技術でもギリギリ再現可能な罠を張り、狩りをしているのだ。
二人は、真っ二つになったエノーム・サングリエを担ぎ上げると、ギルドへと帰って行った。




