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「おい、大丈夫か」
肩が外れそうなくらい強くゆすられて目を覚ました。
僕はログハウスの床に寝ていた。
「何があった?」
「それはこっちが聞きてえよ」
プラトンが大きく吐息をついた。
「お前は社の前で倒れたんだ間抜け。プラトンがここまで運んできた。感謝しろよ」
ソクラテスが舌打ちをする。
あれは夢だったのか。ほっと胸をなでおろす。
「箱は?」
ソクラテスが外に向かって顎をしゃくる。預言者が箱を持っていこうとしているところだった。
「よかった。儀式は始められるんだな?」
「良かったかどうかは知らないが、始められる」
外に出ると、やけに日差しが眩しかった。先程まで、真っ暗な洞窟の中にいたせいだろう。
「あの箱は俺の血筋しか触れられないんだ。お前、あの箱に触れただろう」
咎めるような目を向けてきた。
「だって、一人で4つも持つのは大変だろう」
「それが余計だっていうんだよ」
ソクラテスは再び舌打ちをして外に出た。
「だったらなんで、俺達を連れて行ったんだよ。一人で行けばよかったじゃないか」
僕は口をとがらせた。




