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冬季ロードレース 箱根~茅ヶ崎

このお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。

 

 

 

SIDE 岸川

 

 ロードレース2日目。

 

 皆が皆、『今度こそは』といきこんでいた。そして、それは俺達も同じだ。

 

「岸川君。佐渡君。頑張ろうね。」

 

 後ろから登坂が声をかけてきた。

 

「ああ。そうだな。」

 

 登坂にそう返してしばらくしてみんな位置につく。最初にスタートするのは赤和学園と俺達だ。

そして、しばらくしてから3位以下の学園達がゴールした時間差でスタートする。

その坂道を下る。その坂道を下りきったところで俺達の前に踊りでたやつがいる。

 

「どういうつもりだ! 山道!」

 

 俺達を引っ張るつもりなのか、先頭に出てペダルを回している。

 

「フハハ! 考えている事は同じようだな! 挑戦者(チャレンジャー)!!」

 

 赤和学園のクライマー白石がチームを引きながら高笑いをあげる。

その中で気になる言葉があった。

 

「どういう意味だ!」

「わからんのか? 昨日走ったコースを思い返してみろ! 俺達はそこを逆送しているのだぞ!」

 

 しばらく沈黙が訪れた後、佐渡がハッと何かに気づいたように息を飲む。

 

「このコースに登り坂(王者の戦場)は無いのだろう?」

 

 そ、そうだ! 俺達は東京から箱根までを登ってきた!

 

「そして、登り坂を登ってこそのクライマーだ。」

 

 ま、まさか、

 

「登坂! 捨て駒になる気か!」

 

「登り坂のない道でクライマーの出番はないよ。」

「だからって捨て駒になる必要ないだろ!」

 

 俺の言葉に登坂は何故かクスリと笑った気がした。

 

「別に捨て駒になった訳じゃないよ。夏のインターハイの時みたいにボクの思いを託しただけだよ。」

 

 その言葉に俺は黙って下ハンを握り締めた。

 わかったよ。登坂。お前は全力で走れ。しばらく走り続け小田原を抜け、茅ヶ崎までたどり着いた。しかし、それが2人の限界だったらしい。サドルに座った登坂と白石が後ろに流れていく。その様を見てブレーキを握りたかったが、それは出来ないと、ブラケットを強く握りしめた。

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