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冬季ロードレース 小田原~箱根

感想頂きましたレフェル様。ならびにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。

 

 

 

「皆!」

 

 その言葉に4人がボク達を見る。

 

「登坂! 佐渡! 戻ってくれたか!」

「すみません! お待たせしました!」

「いないのには焦ったが、気にすんな! それより、オーダーだ! もう少し先で箱根にたどり着く登り坂がある!!

そこを全力で駆け抜けろ!」

「わかりました!」

 

 王者と挑戦者。玉座を死守する者とそれを欲する者。勝者と敗者。対となる人達が互いに抜くか抜かれるかのシーソーゲームをして、箱根に至る登り坂にたどり着いた。その時、

 

「行け!! 登坂!」

「赤和学園を1位から蹴落としてやれ!」

「はい!」

「させるかよ! 白石!」

「わかっている!!」

 

 ボクと白石君は自分のチームメイトの言葉に答えてべダルを回した。それと共に世界が後ろに流れて行く。

 

「フハハ! やはり山は良い!!」

 

 坂道を走りながら笑い声をあげる白石君。その横でボクはベダル回している。

 

「そう思わないか! 挑戦者(チャレンジャー)!」

「そうだね! 白石君の言う『王者の戦場』で君に勝つよ!」

 

 ボクの言葉に白石君は笑みを浮かべていた。そして、それはボクも同じだ。

 

「フハハ! それでこそよ! 挑戦者(チャレンジャー)!! 全力で挑んでこい!」

 

 そう言いながら白石君はシフトレバーを操作して2段階重くしてから、サドルから腰をあげる。

 

「言われなくてもそのつもりだよ!」

 

 ボクはそう答えてからシフトレバーを操作する。ガシャガシャという音がしてチェーンが2段階重くなる。そして、サドルから腰をあげて立ち漕ぎ(ダンシング)をする。ボク達の体重をペダルを回す力(推進力)に変え先へと走る。

 

「よく回る足だな!」

「目障り?」

 

 ボクの問いかけに白石君は心底楽しげに首を横に振った。

 

「まさか! むしろ、楽しいさ! 王者の戦場にふさわしいこの登り坂で挑戦者(チャレンジャー)! お前と全力で勝負出来るからな!」

 

 白石君は笑みに闘志をたぎらせながらペダルを回す。ボクもその白石君を抜く為にペダルを回す。

 

「フハハハッ!! 楽しませてくれる!!」

 

 ボクの走りに白石君は笑みを浮かべる。

 

「それはお互い様でしょ?

でもね。今回こそはボクが勝つよ。」

「それでこそよ!! 挑戦者(チャレンジャー)!! ならば俺から言わせてもらおう! 玉座を奪おうとする者を潰してこその王者よ! 今回も俺が勝つ!」

 

 白石君の言葉にボクはシフトレバーを操作する。ガシャと音が鳴りペダルが1段重くなる。

 

「フハハハッ!! 加速する気か! だが、そろそろつらいんじゃないか?」

「何の話? まだまだ余裕だよ?」

 

 白石君が推察する通り、今5段目でペダルの重さが無視出来ない状態になっている。

 

「強がりは1人前だな! そういうなら、王者の足について来るがいい!!」

 

 白石君もシフトレバーを操作して1段重くする。

そこからは意地の勝負だ。互いに抜きつ抜かれつの繰り返しを続ける。

 

「そろそろつらいんじゃないか? この辺で諦めたらどうだ?」

「冗談。そんなことを言うって事はそっちこそ限界が近いんじゃないの?」

「それでこそよ!! 挑戦者(チャレンジャー)!!」


 ボクの問いに白石君は愉快そうに笑い声をあげる。

正直、結構限界に近い。足はパンパンだし、心臓はうるさいぐらいドキドキいってるし、息もかなりきれてる。冬なのに熱くて、全身から汗が吹き出ている。それは白石君も同じだ。だけど、それでも足を止めようとしないのは、相手より先にゴールして玉座を取りたいからだ。そのために、全力を尽くして相手より前に出ようとしているのだ。

 限界近くまで体力を振り絞ってようやく箱根のゴールが見えてきた。

ほぼ同時にボク達はブラケットから両手を離し下ハンを強く握り締めた。

 

「おあぁぁぁっ!!!!」

「ぬおぉぉぉっ!!!!」

 

 箱根の山々にボク達の咆哮が響き渡る。

 そして、ゴールラインを通過した時、片方が勝鬨の声を上げ、負けた方が悔しそうに涙を流していた。

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