冬季ロードレース 共闘
このお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
そして、お待たせして申し訳ありません。
「いくぞ! 挑戦者!! ついてこれるか!!」
「そっちこそ!」
白石君とボクはそう言いながらペダルを回し続ける。ぐんぐんと景色が後ろへと流れていく。
「嘘だろ! あいつら、クライマーなのに、何で俺達より速い!」
後ろからそんな驚きの声を無視してペダルを回す。
しばらく、白石君とボクとで、先頭交代しながら走っていると、
「登坂!!」
玉川にかかる橋の途中で佐渡君がボク達に声をかけた。
「佐渡君!! ボクを待ってくれたの!」
「あぁ。まさか、白石までいるとは思わなかったけどな。」
佐渡君はボクの横に並びそう言ってから、下ハンを強く握る。
「二人とも! 俺の後ろにいろ!」
佐渡君の言葉にボクと白石君は佐渡君の後ろについた。その勢いに引っ張られる形で走り続け、ようやく給水ポイントまでたどり着いた。
「山道! 佐渡! 大丈夫!」
「やークン。ケガしてなイデスか?」
給水所で心配そうにボク達を見るともみちゃんとふーちゃんに問いかける。
「大丈夫だよ。それより、みんながここを通過してどれくらい経つの?」
「4分ぐらいよ。」
答えながら、ボトルを交換していく。そのなかで白石君はボクが渡したボトルに拘っているらしい。ボトルに水を継ぎ足してボトルゲージに戻した。
「急ぐぞ!! まずは追い付かなければ話にならん!」
補給の終わったボク達に佐渡君はそういう。
「そうだな。合流出来ねば話にもなるまい。」
白石君はそう答えてペダルを回す。
しばらく走って、横浜を抜けた辺りで、その場に停車しているロードバイクに気づいた。
「十石君! まさか、白石君の為に?」
「まあね。さぁ、3人とも、僕の後ろにいてくれないかな?」
十石君はそう言いながら、ボク達を引いて走る。 それまでとは違い、凄い速さで駆け抜ける。
その間に疲れたら、戦闘を代わりに引いて走り、そして、茅ヶ崎にたどり着いた。
「………見えた!」
確かに目の前にいる集団は赤輪学園だ。
「部長さん! 星宮学園の皆は!」
「アァン! スプリンターが1人抜けて話になるか!」
という事はまだ先か!
「おい。お前ら。後ろに乗れ。」
「へ?」
「1年坊主共。チームに戻るんだろ?
星宮学園の連中と合流出来るまで共闘だ。」
「ありがとうございます!」
佐渡君はそう言って赤輪学園の後ろに張りついた。
そして、先頭を交代しながらペダルを回して、小田原を走っている時、前の方で見慣れた集団が見えた。
「皆!」
星宮学園の皆はボクの声に振り向いた。




