冬季ロードレース
感想頂きましたレフェル様。並びにこのお話を呼んでくださる皆様ありがとうございます。
2年のお話を書く前に冬のロードレースを書いてみる気になり執筆してみました。楽しみになれば幸いです。
インターハイから数日後、部長がボクの家にやってきた。
「登坂。お前に特別課題を課す。」
部長はそう言いながら、押してきたマウンテンバイクを指差した。
「部活の時以外、コイツで走り続けろ。
目的地があった方が張り合いもあるだろう。
とりあえず、秋葉原まで行ってみたらどうだ?」
「ウソでしょ!! そんな無茶仕様の自転車で秋葉原まで行けっていうの!! 何キロあると思っているのよ!!」
「ものすごク大変デス!」
マウンテンバイクを一目見た瞬間から部長にくってかかるともみちゃんとふーちゃん。
「なお、このマウンテンバイクに細工を加える事は許さん。この状態で走り続けろ。」
よくわからないけど、かせられたからには頑張らないと。と思い、マウンテンバイクを受け取った。
そして、翌日からマウンテンバイクのペダルを回しているけど、ペダルが軽い割にはどうにも足が遅い。力を入れなくても回るのに足が遅くて、ママチャリにも抜かれるくらいだ。しかも今まで、1時間でつく道のりが、3時間もかかるほどだ。
部長はなんでこんな課題を?
疑問に思いながらペダルを回すこと数ヶ月。秋も深まり冬がやってくる。
「…あれ? 誰もいない?」
部活の為に部室に来たけど早く来すぎたらしい。すぐに部活も始まるから着替えておくべきかな? そう思いながら、更衣室に入り上から下まで脱いだ瞬間、誰かがドアを開けたらしい。
ガチャ
「ん? だ……れ……?」
問いながら、振り返る、ボクは石像のように固まっていた。
それはドアを開けた張本人も同様だろう。
というかともみちゃんがなんで男子更衣室のドアを開けるの!
そして、真ん丸に見開かれたその両目が下にズレると熟したトマトのように真っ赤になっていた。
ともみちゃんの視線を追いかけて、その意味が理解出来た。
「キャアァァッ!!!!」
我ながらそれはどうかと思うような悲鳴を上げながら剥き出しの下半身をかくしながらしゃがみこんでいた。
「ううぅ。モロに見られた。もう、お嫁に行けない。」
「ごめんってば。」
「ジャア、ボクがお婿にイきます。」
部室の隅っこでうずくまっているボクにともみちゃんは謝罪して、ふーちゃんはそう言いながら、宥めてくれる。
その光景を横目に大川先輩が口を開いた。
「さて、部活の前に報告がある。
今年から、とあるテレビ局主催のロードレースが開催されることになった。
参加校は今年のインターハイに参加出来た学校に限定される。
参加者は本来なら、1年か2年限定で6人なんだけど、うちは5人しかいないから、3年を1人だけ参加させてもいいことになった。」
「よぉ。皆。久しいな。」
大川先輩の言葉に松郷先輩が片手を上げながら入室した。
「松郷先輩!!」
「山道も久しいな。だが、隅っこに座ってどうした?」
松郷先輩は隅っこに座っていたボクを見て首を傾げていた。
「松郷先輩。時間もないですから、早速トレーニングを始めましょう。」
大川先輩の言葉に頷いて駐輪場に向かう。各自のロードバイクを押しながら校門についた所で、
「待っていたぞ!! 挑戦者!!」
誰かに声をかけられた。誰かは想像つく。聞き覚えのある声だし、人の事を挑戦者などと呼ぶ人は知り合いには1人しかいない。
「やっぱり白石君か。」
『常勝王者』赤和学園に所属する1年なのにトップクライマーをやっている白石翔君が両手を組んで立っている。走って来たのか、傍らには彼の愛車がそこにあった。
「貴様も知っているな?」
「テレビ局主催のロードレースの事? 知っているよ。夏のインターハイでは負けたけど、そのロードレースではボク達が勝って見せるよ。」
ボクの宣言に白石君は笑みを浮かべる。
「それでこそ面白い。。全力で挑んで来る挑戦者を叩き潰してこその王者よ!!
楽しみに待っているぞ!!」
白石君はロードバイクに跨がろうとしたが、気になった問いを投げかける。
「白石君。今日は平日だけど学校はどうしたの?」「十石といううちのスプリンターが代わりに出席してもらっている問題ない。」
白石君はそう答えてロードバイクを走らせる。




