インターハイ スタート~山岳ポイント
感想頂きましたレフェル様、並びにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
審判の旗が振り下ろされ、選手達が走り始める。ゆっくり走り、線路の上を横切り市街地へと突入する。
そして、ある程度進んだら、先導車に乗った審判が旗を振り下ろした瞬間、この道はボク達の戦場になる。本当の戦場みたいに戦車が出るわけではない。でも、自分達の体とロードバイクで走るボク達の戦場だ。
「松郷。少ししたら、登り坂がある。その先に山岳ポイントがある。
そこを1位通過して来い。」
「あいよ!! 任された!!」
「登坂。お前は先頭を引いてくれ。」
「はい!!」
ボクと松郷先輩はそう言って、ボクはチームを引いていく為に先頭に。松郷先輩は山岳ポイントを得るために先へと進んだ。
SIDE 松郷
ペダルを回していたら、後ろから風を切る音が聞こえたから後ろを振り向いたら、赤和学園の男がロードバイクを走らせている。
「赤和学園所属の佐久平頼道と言う。悪いが俺達も山岳ポイントを1位通過したいのでな。先に行かせてもらうぞ。」
佐久平はそう言って、ペダルを回した。そのスピードは速く、あっという間に俺を抜き去って行った。
「クソッ!!」
ケイデンスを上げて追いかけるが、距離が縮まっているようには見えない。コレが王者の力か。ついていくだけで精一杯だ。
「なんとかならないか!」
ギアをこれ以上重くしたら走れない。ケイデンスだってこれ以上上げられない。
「なかなか粘るな?」
「チームを優勝させたいからな。簡単には負けられないんだよ。それに、山では誰にも負けたくないんだよ。」
「なる程。だが、玉座に誰もが座れるほど軽くはないぞ?」
佐久平の言葉通り俺と佐久平の距離が開いてて簡単には埋まるようには見えない。
「チクショウ! 何かないか! この距離を埋める何かが!」
ボトルか? イヤ、足りない! 白糸の滝の案内板を通り過ぎた! 山岳ポイントまではまな距離があるとはいえ、ここいらで距離を埋める何かがないと!
「諦めろ。お前に山岳ポイントを1位通過させない。」
届かないのか? そんな思いが胸中をよぎった。その時、
『松郷先輩!!』
俺を呼ぶ声に思わず後ろに振り返った。そこには登坂が追いかけている。
「バカ野郎! 何チームほっぽりだして来てやがる!!」
クライマーがチームほっぽりだして走ったらバラバラになるっての!!
「すみません!! でも、イヤな予感がしたので、部長に無理を言って来させてもらいました!」
マジか! だとしたら、この状況を本能で理解してやがったのか!
「松郷先輩!! 一緒にあの人を抜いちゃいましょう!!」
「ったく、来ちまった以上帰れなんて言えねえな!!
頼む!! 登坂!!」
「はい!!」
俺の言葉に登坂は俺の風除けになる。
1人で走るよりは、速く、徐々にだが離された距離が縮まっている。もうじき山岳ポイントのはずだ!
「松郷先輩。このままじゃあの人を抜けません。だから、ギアを2段階上げます。それでなんとかなると思います。」
マジか!! この登りでか!! 驚く俺の前で登坂はシフトレバーを操作してギアを重くする。
グンッ!!
「うおっ!!」
風に引っ張られる感覚に思わず声を上げる。すげぇ。これが登坂の実力か!! グングンと距離を詰めあっという間に並んだ。
「なんだと!!」
その状況を想定してなかったのか、佐久平は驚いて登坂を見る。
「驚いたな。だが、素人くさい。ライン取りがめちゃくちゃだ。
ダンシングでも覚えて挑んで来い。」
佐久平をそう言いながらシフトレバーでギアを重くしながらサドルから腰を上げる。
「ダンシングならボクも覚えてます!」
言いながらギアを重くしながらサドルから腰を上げる。
ここからは意地の比べ合いだった。互いに抜いて抜かれてのシーソーゲームをし続けること数分で山岳ポイントが見えた。その瞬間、動きがあった。登坂はかなり無茶しながら、佐久平の前に、俺は速度を上げゴールに向かった。
「しまった!」
驚きの表情をする佐久平だが、登坂とのシーソーゲームで疲れきった佐久平に俺を抜き去る術はなかった。
『山岳ポイント通過者は星宮学園3年の松郷隼君。
同校の1年の登坂山道君。
最後に赤和学園3年の佐久平頼道君です。』
「負けた。おめでとう。」
佐久平はそう言いながら右手を差し出した。俺達はその手を握った。
リザルト
星宮学園8ポイント
赤和学園1ポイント




