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ランニング・ウォリアー  作者: 0・The Fool
1年インターハイ
13/32

合宿最終日 選抜レース

感想頂きましたLAN武様、レフェル様、並びにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。

合宿最終日まで飛びます。




「皆。苦しい合宿を乗り越えた事を嬉しく思う。」


 合宿最終日の朝、食堂に皆が集まっているのを見て部長が口を開いた。


「正直に言えば、ここにいる皆にメンバーに選ばれて欲しいのだが、それはメンバー6人の規定に反してしまう。

そこで、スプリンター、クライマー、オールラウンダー。各2つの座をめぐってレースをしてもらう。」

「八神。俺らクライマーは2人しかいないから、クライマーは決定か?」

「そうなるな。各自食事を済ませたら入り口で待機。」




「頑張って! 岸川君!」


 ボクの応援に岸川君は親指を立てニヤリと笑みを作る。


「定峰。梁川。岸川。準備はいいか?」

「おう。」

「大丈夫です。」

「俺も大丈夫です。」


 部長の問いに3人が答える。


「合図と同時に駆け出して、最初に10周終わらせたものが勝ち。

じゃあ、位置について、よーい、どん!」


 部長の合図に3人がペダルを漕ぎ出した。




SIDE 岸川


 スタート共に俺達は駆け出した。


「先行かせてもらいます!」


 叫びながらシフトレバーを操作する。ガシャと音がしてギアが1段重くなる。ペダルが重くなるが、変わりに速く走り、2人より前に跳びだそうとする。


「させるかよ!」


 定峰先輩が吠えながら飛び出す。そのまま引きはがそうとする。


「それはこちらのセリフだっての!!」


 ちぎられてなるものかとペダルを回した。そのおかげで定峰先輩と横並びになる。


「やるじゃねえか! だけど、勝つのは俺だ!!」


 定峰先輩はそう言いながらペダルを回す。


「それは、俺のセリフです!!」


 俺は吠えながらペダルを回す。

正直に言って結構苦しい。それでもペダルを回して前にでようとするのはこの人にも負けたくないという意地からだ。ラスト1周という時、背筋に悪寒がほとばしる。何かが来る! そう思った時、俺のすぐ横を梁川先輩が抜けて行った。9周目までを捨ててこの1周に全てをかけるつもりなのか! 確かに余り全力が長続きしない梁川先輩には有効的だと思う。


「取らせないって!」


 意地で回転数を上げ、前の2人に追いつく。そこからは維持の比べ合いだ互いに相手に抜かれてなるものかとペダルを回して抜かして抜かされての繰り返し。そして、2キロにさしかかったとき殆ど同時にギアを2段階重くしてダンシングしながら下ハンを強く握りしめる。互いに前にでようとペダルを回す。だけど、1人が遅れ並ぶことはなかった。




「ちくしょう。勝てなかったか。」

「お疲れ様。でも、2位通過おめでとう。」

「ありがとう。1位は逃したのは残念だがな。頑張れ。佐渡。」


 俺の言葉に佐渡は首を縦に振った。


「次は俺と大川と佐渡だ。俺達は平坦サーキットを走ったら山岳サーキットを走る。コレを5回繰り返す。」


 部長の言葉に佐渡も大川先輩も首を縦に振りスタートラインに並び、ロードバイクに跨がる。


「合図はアタシがやるわよ?

位置について、よーい、どん!」


 八神の合図に3人が同時に走り出した。




SIDE 大川


 ダメだ。勝てる気がしない。去年インターハイに出れなかったから今年こそはと思って頑張り続けたのに、それでも天才には適わないか。


「すげぇよ。今年の1年は。」


 呟いた俺の眼前で佐渡がゴールした。八神部長はすでに走り終えている。つまり俺は落選したのだ。


「負けたよ。佐渡。俺は凡人だから、天才に勝つにゃ、相手よりもペダルを回すしかないと思ってたが、それでも天才には勝てなかったか。」


 差し出した俺の右手に対して、佐渡は首を横に振る。


「小学生の頃は負け続けでした。俺は負けるのが大嫌いでしたから勝つ為に毎日ペダルを回してました。

努力なら俺もやってました。人を何もしてないみたいに言わないでください。」


 佐渡が笑みに俺も苦笑する。


「すまなかった。佐渡。お前の才能と努力の勝利だ。」


 互いに笑みで相手の手を握った。


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